小額からの資産運用・投資については大きく意見が分かれるところです。
ただ、本記事では「小額からでも資産運用、投資はやっておくべき」という考えのもと、小資金からでもできる資産運用の始め方についてお伝えしていきます。
目次
資産運用のスキルと将来性
これからの日本国家の将来を考えてみて下さい。
人口減少、少子高齢化が加速度的に進んでいくことが想定され、税金全般、社会保険料などが増える傾向にあり、給料や年金などの収入は徐々に減ってきています。
ここ最近では「年金2000万円問題」というものも話題になりました。
「年金2000万円問題」とは、2019年に金融庁が人生100年時代を踏まえて、男65歳以上、女60歳以上の夫婦が年金だけで生きるには毎月5万円が不足すると算出(食費を6.5万円とするなど、支出明細を適当に設定した結果)、そしてそこから20年生きるとすると1300万円、30年生きるとすると2000万円の資産が必要になると発表した事により大きく話題になったものです。
一昔前、日本がまだ高度経済成長であった時代に社会人であった世代は(ちょうど今退職して年金をもらっている世代)は今の我々が考えている様な日本の将来とは異なる将来像がありました。
大した資産が無くてもどうにか人生を乗り越えてくることができる社会基盤があったのです。
しかし、残念ながら現在を社会人として生きる世代はそういうわけにはいきません。
自分で資金を貯めて、それを守りつつうまく運用していくという能力が必要となってきているのです。
国が積み立てNISAやiDeCoといった制度に力を入れているのもそのような日本国家が置かれている現実が背景にあるからなのです。
資産運用を小額から始める最大のメリットは「もし、大きな失敗をしても致命的でない範囲で収まる」という点と、少額でも本気で行う事により、「資産運用の能力・スキルが身につく」という点です。
金融の事、投資の事をきちんと勉強してスキルを高めていくことはこれからの日本においては最重要テーマなのです。
もしもですが、年を重ねて自分が60歳を迎えた頃に資産運用のスキルが無いと、ようやく手に入れた退職金というまとまった資産(数千万円程度にはなると想定されます)をうまく運用できない、最悪の場合は質の悪い投資商品に引っかかったり、条件の悪い保険商品などのカモにされるという事になってしまう可能性が非常に高い、という事になります。
数千万円を保有するお年寄りの金融知識への無知を見越して、証券会社や銀行はこのお金を鵜の目鷹の目で狙ってきます。
現在のお年寄り世代にこのような金融商品や投資ばなしに騙されるケースが多いのは、若いころからできる範囲(小額から)で資産運用の実践を行ってこなかったからです。
実際、資産運用や投資を初めてみるとわかるのですが、世の中には無数の金融商品が存在しますし、それを紹介する人、代理店、銀行、証券会社なども数多くあります。
その中には本当にいい商品もあれば、いい商品に見えるがぼったくり商品なども多くあります。
また初めの頃は若さもあり、どうしても投機的な商品に挑戦しまい思うような利益が出なかったという経験もします。
そのような失敗から多くの事を学んでいく中で自分の投資スタイル、運用スタイルというものが出来上がってくるのです。
資産運用を若い時から始めておけば、運用のスキルはどんどん高くなりますし、それに伴い資産運用の利益率もどんどん高くなり、結果として運用のコストパフォーマンスが上がることになります。
例えば100万円を5%で運用したら5万円の利益ですが、5000万円で運用すれば250万円の利益になります。
これは実際的には手間は同じなのです。年に5%の利益を叩き出すのはそれなりのスキルが必要です。
5000万円を手にいれられる年齢になった時にそのような能力があることは非常に心強いですね。そのために小額から始めてスキルを付けておくのです。
このような理由から、手持ち資金が少ないので、運用したとしても利益は少ないですよね。意味があまりないですよね。とは言い切れないのです。
そして小額から資産運用を始めた場合でも、自分の身に起きる良い事があります。
それは資産が少しでも増えていくことの面白さに目覚めて、普段の生活態度が良い方向に変化するという事です。
資産運用を初めてみたら投資に回すお金を増やしたくなって、お金の無駄遣いが減った、もっと稼ぎたくなり、仕事に対するモチベーションが上がった、自分の能力を高める必要性を感じたなどの良い効果が生まれてくる人も少なくありません。
また、少額から資産運用を始める場合は一定金額で長期間の資産運用を意識するようにしましょう。
投資と聞くと、大きな資金が必要と考える人は少なくありませんが、毎月一定金額を10年、20年と長い期間積み立てる投資をすることで、元本(投資金額)の2倍以上の資金を得ることも可能になります。
少額で資産運用をする基本として、「毎月一定金額を長期間運用」を押さえておいてください。
最後に少額投資の基本は「長期・分散・積立投資」という事も心に留めておきましょう。
投資資金が少額である少額投資は、最初から大きなリターンを狙って大儲けすることはできません。
いかにリスクをコントロールして確実なリターンを得ていくか、というのがポイントになってくるのです。
少額から始められる資産運用
では、現実的に小額からでもできる事例について書いておきます。
1万円や10万円からスタートできる少額投資にはどのようなものがあるのか、いくつかみていきましょう。
少額投資①:個人向け国債
国が発行する債券が国債で、個人で買うことができる国債が「個人向け国債」です。
発行元である国が破綻しない限り、満期(償還期限)になれば約束された元金に利子がついて償還される仕組みで、事実上の元本保証があることが大きな特徴です。
少額投資②:株式(ミニ株・単元未満株)
証券取引所で売買される株取引では、1口100株と最低単位が決まっており、数十万円から数百万円が必要です。
一方、ミニ株(単元未満株)は「株式ミニ投資」とも呼ばれ、単元株数の10分の1、すなわち1口10株から購入が可能です。
ミニ株よりさらに細かい単位で100株の単元株を取引をする場合は、1株からの売買となります。
ミニ株や単元未満株の取引では、投資資金を少なく抑えることができ、中には500円程度のワンコインで買えるサービスもあるなど、通常の株式投資と比べても気軽に始められます。
少額投資③:投資信託
投資信託は、プロのファンドマネージャーが投資家から集めたお金で作ったファンドを運営し、利益を投資家へ分配していく仕組みの金融商品です。
100円という少額で投資できる上に、1銘柄で手軽にリスク分散できてしまう手軽さが最大の魅力です。
他にも小額からの資産運用が簡単にできるスマホのアプリなども存在しています。
まとめ
- 小額に関わらず「資産運用できるスキル」そのものが財産となります。
- 資産運用にまじめに取り組むことにより少額でも利益率は良くなっていきます。
- スキルが身につくまでは時間もそれなりにかかりますので、初めは利益が出なくても当たり前なので挫けずに続けてみて下さい。
小額からの資産運用でもメリットは十分にありますし、日本という資本主義経済の中でどのように生きていくかということ自体を実際的に身をもって学ぶことができます。
小額からでも資産運用を始めて、自分の明るい将来の為にどんどんスキルを高めていきましょう!