外貨預金で大切な為替取引のコスト。実際に外貨投資・取引を行うために、実はとても大事。外国為替市場は、二つの市場=相場があるということを理解しておきましょう。
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外国為替市場は、具体的な取引所がない?
外国為替市場には、具体的な取引所や市場が、ありません。テレビで放映されている為替市場は、銀行や為替ブローカーのオフィスであり、証券市場のような取引所ではないといえば、驚く方もいるのではないでしょうか。
株式取引の場合、公認の取引所があり、そこで、株式の売買が行われます。注文を行うのは、電子端末であっても、それを売買=決済するのは、証券取引所の役目です。
それに対して、外国為替市場は、「為替=通貨を売買するネットワーク」があるだけで、外国為替を取引するための取引所はありません。あるのは、世界各地の街角にある外貨交換所・銀行などの窓口(オンラインバンク)だけ。
では、為替はどのように取引されているのでしょうか。そう、最初にお伝えした通り、外国為替は、二つの市場にわけて取引されています。
二つの外国為替市場
①銀行間市場(インターバンク)
こちらは、大手金融機関しか参加できない閉じられた市場。世界中の大手金融機関が、電話・インターネットによってつながっています。そして、プロ同士が、様々な用途で、外国為替取引(通貨の売買)を行っています。
テレビや新聞で、報道されている外国為替相場は、この銀行間市場での価格。三菱UFJ銀行・みずほ銀行・シティバンクといった大手金融機関が、作り上げたルールの元に取引が行われます。
②顧客向け市場
私達が取引できるのはこちらです。とはいっても、銀行間取引と同じく、具体的な市場があるわけではありません。
顧客は、(私達含む)銀行・FX会社などの会社と1対1で取引を行います。つまり、顧客向け市場こそが、外貨預金・FXなどの外為取引そのもの。街角の外貨交換所と仕組み自体は同じ。海外に行く時に、日本円を外貨に変えるのも同じと考えていいと思います。
外国為替市場の価格について
さて、次に大事なのが、為替相場の価格について。特に、証券市場に慣れている方は、ここで戸惑うことが多いので、気を付けたいところ。株式市場は、取引所で一括して売買が行われます。そのため約定結果は、取引所で決まりますし、取引データ・約定価格も取引所が管理しています。
一方、外国為替市場は、違います。FXや外貨預金を行う私達の取引や注文は、取引相手先の金融機関で完結し、その先に取引所はありません。これを取引所取引に対して相対取引と呼びます。
ただし、取引所はない代わりに、金融機関は、お客様の注文に対し、カバー取引を行います。これは、一般の取引で言う仕入れのようなモノとお考えください。カバー取引を行うことで、金融機関は、過大なリスクを負わないように、リスク調整します。
相対取引の価格は、店によって違って当たり前
相対取引と言えば、なんだか難しそうですね。でも、普段の買い物と同じものと考えてください。電気屋さんでエアコンを買う時も、私達は、その先にある仕入先やメーカーと契約関係にはありませんよね。エアコンを買う時は、電気屋さんと契約・売買しています。
そして、ここが、外国為替取引の鍵。同じメーカーのエアコンでも、販売する電気店によって微妙に値段が違うことがありますよね。実際の販売価格は、店に任されているわけです。
実は、外国為替取引も、取引相手によって、微妙に価格が違います。もっとも他社と大きく違う値段を付ける電気屋さんは、商売が上手くいきません。外国為替取引も、インターバンクという基準価格がありますので、あまりにもおかしな価格を付ける銀行はありません。
とはいえ、外貨預金とFXでは、大きく提示しているレートが違うようなケースもありますから、為替市場⇒為替レートの順番に理解していきましょう。