スワップポイントと為替差益の両得を狙う「円キャリー・トレード」とは何?

円キャリートレード

キャリー・トレードとはなんぞや?

前回、スワップポイントで大きな利益を得られた時期のことをお話ししました。今回は、その話と関連した「キャリー・トレード」のことをお伝えします。

というのも、2021年10月27日現在、世界的に、インフレの傾向が強まっています。このまま、インフレが強まっていけば、各国の金利が上昇していくでしょう。その状態で、日本の金利が低いままにとどまれば、前と同じく、円キャリー・トレードによるビッグ・ボーナスのタイミングが訪れる可能性があります。そのため、外貨投資に興味のあるあなたに、ぜひ、お伝えしたいと思います。

円キャリートレード

2000年 高金利 2000年代は、高金利通貨のスワップポイントでウキウキワクワクした時代

円キャリー・トレードの基本について

キャリー・トレードは、低金利の通貨でお金を調達して、高金利の通貨で運用すること。これの何がいいかというとシンプル。「為替相場が変わらなければ、金利差分だけ利益」になります。

日本の低金利は、長く続き、キャリー・トレードに良く使われます。そのため、円を調達して、外貨で運用する取引を「円キャリー・トレード」と言います。

さらに、もうひとつ大事なことがこれ。円キャリー・トレードが増えれば増えるほど、日本円売り外貨買いの量も増えるため、円安に動きやすくなります。つまり、円キャリー・トレードは、金利差に加えて為替差益も得られるという一石二鳥のトレードになる可能性がある。

機関投資家も個人投資家も利用できる。

このキャリー・トレード。機関投資家はもちろんのこと。個人投資家も外貨投資を利用すれば、可能。低金利の通貨でお金を借りて、高金利の通貨を買う。この好都合なトレードをカンタンに実現できるのが、FX。

FXでのキャリー・トレードの方法

USD/JPY(米ドル/円)、GBP/JPY(英ポンド/円)、AUD/JPY(豪ドル/円)などの通貨ペアを売買するだけ。

米ドル/円、英ポンド/円、豪ドル/円など値動きが安定していて、スワップポイントの高い通貨を選び、買いポジションを持つ。それだけで、スワップポイントを得るキャリー・トレードになります。もし、為替相場が、円安方向に動けば、ダブルで利益。これが、キャリー・トレードのいいところ。

キャリー・トレードの持つリスク

もちろん、為替相場が円高に動けば、為替差損=損失が生じるため、注意が必要。世の中、絶対に儲かる上手い話はありませんからね。前回、お伝えしたように、リーマン・ショック後の円高トレンドの勢いは凄かった。

また、お互いの金利が、永久に固定されるわけではありません。そのため、キャリー・トレード時は、為替相場の動向と金利水準を見ておく必要があります。

円キャリー・トレードに向いている相場環境

  1. 日本円の金利が低く、外貨の金利が高い。=十分なスワップポイントが得られる。
  2. 相場環境が落ち着いており、取引する通貨ペアの変動率(ボラティリティ)が低い。
  3. 日足~月足などの長期チャートで円高トレンドではない。

1.については当たり前。そもそも、金利差が得られない状況で、スワップポイントを狙っても意味がありません。まず、スワップポイントの金額を確認して、金利差が得られるタイミングでポジションを取ること。

2.にはご注意ください。相場が荒れ模様で、大きく動いている時は、キャリー・トレードのリスクは大。思わぬ相場変動で、大きな損失が出ることもありますから、相場環境が落ち着いているときが有利です。

3.も大事なところ。為替相場が、円高トレンドに傾いているとき、円キャリー・トレードをすべき環境ではありません。

ドル円 月足チャート

◆米ドル/円の月足チャート:2021年10月25日

赤い矢印が、円安トレンド。緑の矢印が円高トレンド。円キャリー・トレードを行うには、長期チャートを確認することが大切です。円安トレンドは、キャリー・トレードの強い味方!

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