経済成長に賭ける!という発想が「インデックス投資」

経済成長に賭ける!という発想が「インデックス投資」

前回は、投資信託(投信)の選び方の4ステップをご紹介しましたが、筆者が担当させていただく資産運用のご相談のなかで、圧倒的に多く感じるご質問のひとつが、「どの商品を選べば良いの?」ということです。

その中でも特に悩まれている方が多いと感じるテーマが「インデックスファンドとアクティブファンドはどっちが良いの?」という点です。

この疑問を解決するアプローチにはいくつか方法があるのですが、今回はインデックスファンドに対する考え方・解釈の仕方の一例をご紹介していきましょう。

インデックスファンドは「経済成長」に賭ける投資法

過去記事において、投信の種類のひとつとして、運用方針に着目するアプローチから、インデックスファンドをご紹介しました。

筆者が投資教育においてこだわっているのは、まずは抽象的にザックリと全体像を把握してから、具体的な商品の特徴などを学んでいただくアプローチです。そのほうが一般的には理解しやすいし、応用がきくのではないかと思っています。

投資初心者にとっては、金融の世界はあまりに難しいというより、細かすぎるのです。初めに覚えていただきたいのは、細かい話ではなく、全体像やしくみを大雑把に自分なりに腑に落としてもらうことです。

なので、インデックスファンドの運用方針・商品説明はいったん脇においておくとしましょう。そもそもインデックスファンドに投資するとはどういうことなのか?どんな考えのもとにインデックスファンドに投資するとより良いのか?という切り口から入っていきたいと思います。

インデックスファンドは、その名の通りインデックスに連動させることを目指して運用されているわけですが、そもそもインデックスとはなんでしょうか?

日本やアメリカなどの個別の国・地域、先進国、新興国などを構成する国・地域、全世界など、各種マーケットを代表する指標です。日経平均株価やTOPIX、NYダウ・S&P500などのよくニュースでみる指標です。

世界地図をイメージしてみてください。マーケットが存在している国・地域の有無、投資しやすい、換金しやすい国・地域なのかなど、各種マーケットによって差はありますが、マーケットというのは世界中に存在しています。

誤解を恐れずに表現してしまえば、可能な限り世界中のマーケットに投資するのであれば、ほぼ地球全体に投資することになりますし、より細分化するのであれば、日本やアメリカ、先進国など、投資対象の国・地域に限定した投資をすることになります。

どちらにしても、我々が資産形成のために国際分散による長期積立投資をする際には、一般的には世界中に投資することをイメージしてみてください。

パッケージとして世界中に投資しているインデックスを選んでも良いですし、日本・先進国・新興国などの個別のインデックスを組合わせて、それらをまとめると世界中に投資している状態をつくるのも良し、自分の価値観にあったやり方を採用してもらえば、ひとまずそれで良いと思います。

インデックスの種類の調べ方や見分け方

投信と紐づいている主要インデックス

資産形成のために利用する制度・口座が決まっていて、金融機関も決まっているという状態で、金融商品を選ぶとした場合、選ぶ基準となるインデックスの種類は、数えるほどしかありません。

ただ、投信の分類方法やカテゴリー分けのやり方は、投資初心者にはかなりわかりにくいのが現状です。

インデックスファンドは「I」、アクティブファンドは「A」、いつでも売買できるオープンなファンドなら「O」、募集期間が決まっていたり、募集条件がオープンでないなら、スポットという意味で「S」、などとネットショッピングなどの型番のようになっていればわかりやすいかもしれませんが、残念ながらそうはなっていないのです。

「IO(投信会社:投信を組成する業者・運用の専門家の番号)(商品番号)= IO(●●投信会社)(●●インデックスファンド)」というようになっていれば投資初心者にはわかりやすいかと思い、過去にダメ元で業界へ意見を届けたこともありましたが、もっと投資初心者にもわかりやすく改善されていくことを願っています。

とはいえひとまず現状で、商品選択の判断基準の参考になるような、各投信の投資対象となっているインデックスが、一覧で見れるサイトがこちらになりますので、ぜひ参考にしてみてください。

myINDEX(マイインデックス)「投資商品があるインデックス

主要なインデックスシリーズ一覧

ほかにも各投信会社が、各種インデックスファンドをシリーズものとしてラインナップしています。

シリーズ全体としては、2021年7月6日時点で、三菱UFJ国際投信の「eMAXIS」シリーズが、純資産総額約1.72兆円とNo.1ですが、実際に中心的な存在である、低コストインデックス「eMAXIS Slim」シリーズとしては、約1.33兆円となっています。

その次には、ニッセイアセットマネジメント楽天・バンガードが、それぞれ約4,400億と続いています。

主につみたてNISAやNISA、特定口座を利用して、投信積立をする方がメインになるかと思いますが、これら主要インデックスファンドシリーズの中から選ぶというのも、場合によってはわかりやすくなっています。

以上、このアプローチは資産形成のコアとなる部分として、インデックスファンドをご検討の方のご参考になれば幸いです。