新型コロナウイルスの感染拡大で、私達の働き方が大きく変わりました。
その1つがテレワークの導入ですね。
これまでオフィスに出社して仕事をすることが、当たり前となっていた日本人にとって、自宅で仕事が完了するなんて、かなり衝撃的な出来事だったかと思います。
そんなテレワークが浸透しつつある中、今話題になっているのが出社義務がなくなったサラリーマンたちの地方移住です。
総務省の住民基本台帳人口移動報告によると、東京都では2020年4月から12月までの間で転出者が増加傾向となり、転入者を上回る月も何度もありました。
テレワークの導入でオフィスが不要となった今、狭い都心部を離れて自然の多田舎に移住を検討している方が非常に多いようです。
そこでこの記事では、田舎に移住するメリット、デメリットや注意点を解説していきます。
目次
田舎に移住する5つのメリット
それでは、まず田舎に移住するメリットについて見ていきましょう。
メリット1:自然を堪能できる
やはり田舎と言えば、山、川、海といった自然が多い特徴がありますよね。
山であればスキーやキャンプ、川であれば釣り、海であれば海水浴などと自然を楽しめるスポットが多いので、日帰りでも自然を十分堪能できるでしょう。
また、自然が少ない都会では味わえない体験ができることも大きな特徴。
例えば、春はウグイスやヒヨドリの鳴き声が聞けたり、夏はカブトムシやクワガタムシなどの昆虫採集、秋はホタルを探したりと、自然がある田舎ならではの貴重な体験ができるでしょう。
メリット2:人の密度が少ない
都会の人が密集しているマンションや住宅街とは違い、田舎は一軒一軒の間隔が広く、人口も少ないので混雑や人混みに疲弊することがなくなります。
さらに、かなり田舎の方に行けば隣の家まで100メートル以上間隔があったり、建物が森に囲まれていたりと、まるで無人島に住んでいるような感覚を体験できるでしょう。
都会では絶対にありえない静寂が広がる世界での生活は、極上の癒しとなるはずです。
メリット3:家賃が安い
そして人口が少ないことから、都会と比べると家賃もかなり安いです。
例えば東京の都心部であれば、家賃6万円なら6畳のワンルーム、ユニットバス、屋外洗濯機といったところでしょう。
しかし田舎で家賃6万円となれば、10畳のリビングに5畳の洋室がついたバス・トイレ別の屋内洗濯機に独立洗面所付きの1LDK。
さらに、駐車場までついて、お釣りが返ってくるような物件もあるんです。
都会で住んでいる人の感覚だと、6万円でこの条件は本当に信じられないような好条件ですよね。
メリット4:人との繋がりが濃くなる
都会に住んでいると、隣の家に住んでいる人の顔の名前もわからない、という方が多いでしょう。
特に賃貸マンションでは、入れ替わりも早いので一度も顔を合わさないうちに、お隣さんが引っ越していたなんてことも日常茶飯事ですよね。
しかし、田舎では人口が少ないので、必然的に人とのつながりが増えます。
例えば、ご近所さんであれば、顔と名前の把握は当たり前。
家族構成や仕事、趣味まで、ありとあらゆる情報が筒抜けの状態なので、必然的にコミュニケーションのきっかけが生まれて、つながりが増えていくでしょう。
メリット5:スローライフを楽しめる
都会のような目まぐるしい変化が少ない田舎では、文字通り時間の流れがゆっくりと感じるスローライフを満喫できます。
電車は1時間~数時間に1本、繁華街も21時をすぎると軒並み閉店など、時間に追われている人が少ないからこそ、時間に縛られない生活を送れるんですね。
都会の目まぐるしさに消耗したり、疲弊したりする人が田舎への移住を検討する理由も、うなずけます。
田舎に移住する5つのデメリット
家賃も安く、自然に囲まれた空間でまったり生活できる田舎暮らしですが、もちろんメリットばかりでなく、デメリットも存在します。
デメリット1:生活に車が必要
田舎では都会ほどバスや電車といった公共交通機関が発達していないため、基本的に車移動が主流です。
そのため、自動車の運転免許を取得せずに田舎に移住することは、電気、水道、ガスが止められた生活と同じぐらい不便です。
また、出先や外食でお酒を飲んでしまうと車で帰れない、電車やバスも終電を過ぎている、ということもあるので、簡単にお酒を飲めないのも田舎ならではの特徴でしょう。
デメリット2:人生の選択肢が少なくなる
また田舎は仕事や学校といった、選択肢が少ないこともデメリット。
やはり人口が少ないことから、現地にオフィスを置く企業、学校も少なく、自然と選択肢が狭まっていきます。
例えば、自宅から通える範囲に学校が1校しかない、働きたい業界、職種の求人がない、人口が少ないから出会いがないなど、都会ほどの選択肢はありません。
最近では通信制の学校、テレワーク、マッチングアプリなど、ネットを使った新たな選択しが増えてきましたが、まだまだ不便なことも多いでしょう。
都会から自由を求めて田舎に移住したのに、逆に不自由になったというケースもあるので、移住する前に慎重に判断しなければなりませんね。
デメリット3:収入が少なくなる
そして仕事関連でもう1つ、都会に比べて収入も激減します。
ある大手転職サイトのデータによると、地域によって最大20%の年収格差が生まれ、年代を経るごとによってその格差もどんどん広がる傾向があります。
田舎のほうが不動産や土地が安いというメリットがあるものの、物価や税金はさほど変わらず、子供が大学進学で上京するとなれば学費、仕送りなどの出費が発生するので、実は都会暮らしよりも生活が苦しい、ということも往々にしてありえます。
都会だから、田舎だから関係なく、将来を見据えた資産運用は重要ですね。
デメリット4:コミュニティが狭くなる
田舎では生活圏内にあるお店や病院、スーパーが限られるため、どこに行っても近所の人、知り合いの人に出くわしてしまいます。
そのため普段お化粧をしている方の場合、すっぴんでお出かけなんてことは、とてもじゃないけどできないでしょう。
知り合いと出くわすということを楽しめる人であれば、さほど大きな問題ではありませんが、一人の時間を大切にしたい人、仕事とプライベートをはっきり分けたい人にとっては、都会よりも田舎のほうがストレスを多く感じるかもしれません。
デメリット5:理想の田舎生活とのギャップ
一番多いのが、思い描いた田舎生活とのギャップです。
例えば、方言がキツイところでは、日本語で会話をしているのに相手の言葉が聞き取れなかったり、こちらの言葉が通じなかったり。
日常的に聞こえる違和感ばかりの言葉に、ストレスを感じる人もいるでしょう。
また、その地に古くから住みついている人の中には、都会からの移住者を良く思わない人もいるため、村八分とまではいかなくても嫌がらせを受ける可能性もあります。
理想の田舎暮らしとのギャップに幻滅しないためにも、移住前の下調べは絶対に必要ですね。
移住する前にしておくべき3つのこと
これら田舎への移住のデメリットを解消するためにも、下記の3つのポイントは絶対に取り組んでおきましょう。
念入りな下調べ
移住する前の下調べは必須と言えるでしょう。
当アセッジでは、特に下記の5点は必須で確認することをおすすめします。
- 気候の特徴
- 働き口
- 家の周りインフラ
- 公共交通機関
- 子供の進学先の学校
この他にも、理想の田舎暮らしの弊害となるものがないか、事前によく調べておきましょう。
支援制度の確認
また、地方では過疎化を防ぐために、移住者を迎える様々な支援を行っています。
例えば、2019年度~2024年度に移住する場合に使える「地方創生起業支援事業・地方創生移住支援事業」であれば、最大300万円の支援を国から受けることができますし、この他にも地方行政ごとに様々な支援を行っています。
せっかく移住するなら、お得に移住したいですよね。
ぜひ移住前は、国や行政の制度に該当していないかチェックしておきましょう。
現地確認
「百聞は一見にしかず」ということわざがあるように、やはり現地に足を運び、現地の生活を体験してみることが、移住で失敗しない一番の方法でしょう。
そこで注目なのが、総務省が推進している「ふるさとワーキングホリデー」という制度です。
ふるさとワーキングホリデーでは、一定期間、田舎での仕事をしながら生活を体験できる、ワーキングホリデーの国内版というイメージです。
実際に現地に住みながら、現地の人とコミュニケーションを取って仕事できる機会はそうそうないので、田舎への移住を検討されている方は、一度取り組んでみると良いでしょう。
ぜひこの記事を参考に、あなたも田舎への移住を検討してみてはいかがでしょうか。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。