失敗事例から学ぶ資産運用のポイントとは?徹底解説

資産運用 失敗

「投資にはリスクが伴います」と必ず金融商品の説明書きには記入されていますが、このリスクをどう考えるか。

そして失敗(失敗とは元本の減少)をいかに減らしていくか。

リスクヘッジをどれだけ行うかが、投資、資産運用の基本的な視点でしょう。

失敗を恐れて投資や資産運用に踏み切れないというのもどうかと思いますが、投資を始めても失敗してしまい、大きなマイナスが出てしまうという事はもっとよくありません。

今回はいくつかの資産運用の失敗事例を見ながら、失敗をなるべく避けるためにどのような事を事前に知っておくべきかについて話していきましょう。

資産運用失敗事例3選

先ずはよくある失敗事例を紹介します。

事例1:株式投資

会社員のAさんは35歳、そろそろ資産運用も考えないといけないと感じ始めている頃でした。

テレビで大企業の株主優待が取り上げられている番組を見てその制度が魅力的に感じ、銘柄の研究もさほどできていなかったのですが、誰もが知っている大企業ですし、株主優待制度がよさそうだからと貯金から200万円を投資にまわしました。

購入からしばらくは会社の業績も良かったのですが半年を過ぎた頃から少しずつ悪化していきます。

Aさんは大企業の株だし大丈夫だろうと、長い目で見るとそのうち業績も持ち直すだろうとそのまま保有し続けます。

しかし1年後、不祥事が発覚し倒産。200万円で購入した株式の価値はゼロになってしまいました。

この場合、200万円が返ってくることはありません。

この事例から学べる4つのポイント

  • 株式はリスクが高い投資であるという認識が必要
  • 大きく上がる可能性もあるが、元本を失う可能性もある
  • 投資対象となる会社(銘柄)をしっかり調べる事が必要
  • ひとつの銘柄に全資金を投入していた(集中的に投資するのではなく、投資先を3~5に分散投資しておくという方法も考えられた)
  • 事例2:FX投資

    Bさんは28歳、女性。2年前結婚しましたが仕事は続けています。

    共働きでまだ子供がいないので、時間とお金にそれなりの余裕があります。手元には100万円の預金があります。

    最近テレビやインターネットのCMでFX(外国為替証拠金取引)を目にすることがよくあり、友達に聞いてみたところFXでそれなりに勝っている人もいる様子です。

    FX投資の仕組みを調べてみたところ、二つの通貨で取引を行い、通貨が上がるか下がるかを予想し、それを正確に読むことが出来れば利益となるというもの。

    株式投資や不動産投資はまとまった資金が必要ですが、FXは数千円の小額からでも始める事が出来ます。スマートフォンのアプリ対応している業者が多く、ゲームに近い感覚で為替の取引を行う事が出来ます。

    そしてFXの最大の特徴はレバレッジという、自分の手持ち資金以上での取引ができる仕組みになっています。

    例えば手元に1万円しかなくてもレバレッジを10倍にすれば10万円の取引ができるというものです。

    FXは対象通貨の値上がり、値下がりを予測するというゲーム的な要素があり、値動きも頻繁です。操作も簡単なのでゲーム的要素が強いという性質があります。

    Bさんは初めの頃にたまたま勝ったものだからついついのめり込んでしまいました。

    少し負けが込んでくると逆にレバレッジを使って大きな勝ちを狙うのですが、ことごとく逆の値動きになりあれよあれよという間に資金の100万円を使い切ってしまいました。

    しかもレバレッジを使うと大きな利益を狙える一方でその分損失も大きくなるという事に気付いた時には、さらに100万円の損失が発生してしまいました。

    旦那に頼るしかないので打ち明けたところ、多少お灸は据えられましたが、100万円の補填をしてくれました。優しい旦那さんで良かったというものです。

    この事例から学べる3つのポイント

  • FXはゲーム的な要素が強くスマートフォン上で簡単に操作できてしまうので、自制心が必要
  • 信用取引で手持ち金以上の取引も簡単にできてしまうので、熱くなってはいけない
  • FXの仕組みをよく理解し、始めはレバレッジを低めに設定し、急激な値動きがあった際には取引をストップさせられるロストカットをきちんと設定しておく
  • 事例3:不動産投資

    Cさんは45歳、会社では第一線でバリバリ働いています。これから子供も高校、大学と教育費にもお金がかかってきそうです。

    しかし、世の中は景気が良いと言えず、老後の年金にも期待が持てず逆に一抹の不安を感じています。

    そういった理由から資産運用を検討したところ不動産が良さそうだと考えました。

    家賃収入なら安定しているし、担保としても有効。また金融機関からの借り入れも可能です。そこで新築のワンルームマンションへの不動産投資を始めました。

    毎月の家賃収入をローンの返済や経費(マンション管理会社に支払う経費、修繕積立など)に充てる計画で始めたのですが、実際的には初期に想定していた家賃では貸し出しを行う事が出来なかったのです。

    そのうちに固定資産税などの出費も発生し、家賃収入だけではランニングコストが賄えず、収支が赤字となってしまいます。

    自分の給与所得と合算し、確定申告をしてみたのですが節税分以上の出費が続いてしまいます。しかも子供にかかる教育費はますます必要となってきます。Cさんはじりじりと追い詰められた気持ちになり、マンションを売却することにしました。

    しかし今度は購入価格どころか残っているローンの価格でも売れそうにありません。妻は初めにあなたが話していた事と違うじゃないの!と怒っていますし、ダブルパンチでほとほと困ってしまいました。

    この事例から学べる4つのポイント

  • ワンルームマンションやアパートへの投資は、物件を見極める力量が必要(不動産会社の営業マンのいう事を鵜呑みにせず、自分なりの選択眼を磨き、持つ必要がある)
  • 新築マンションに投資しても、後から競合の物件が現れるため、新築自体に営業フィーなどのコストが上乗せされている(そもそも高めになっている)
  • 投資として考えた場合は価格が落ち着いている中古物件も視野に入れた方が良い
  • 不動産投資は借入金と返済、ランニング費用が発生してくる性質のものなので、初期時点でそのような仕組みもよく理解しておく必要がある
  • 今回は投資・資産運用においてよくありがちな失敗事例をあげてみました。

    最後にこのような失敗をしない為、成功する為に大切な要素を簡単にまとめておきます。

    資産運用失敗:まとめ

    資産運用を始める際は「目的」「期間」「ゴール」を明確にしておきましょう。

    1. 資産運用で失敗しないために大切なことは、何のために資産運用をするのかという「目的」
    2. いつまでにという「期限」
    3. どのくらいまで増やしたいかという「ゴール」

    を明確にすることです。

    単純にお金を増やしたいとか、老後のためというような気持が基本になることは理解できますが、投資の際はしっかりと勉強することも必要です。

    いまの私たちを取り巻く状況を見るに、超低金利の預金や先行きのぼんやりとした年金制度などは不安に感じている事でしょう。

    ですからこれから資産運用のスキルを身につけ実践していくという活動は非常に大切です。

    くれぐれも安直な気持ちで始めたり、人が進めてくれるままに投資してみるというようなことが無いよう、十分に事前準備と勉強をしてから始めて下さいね。