投信の「分類」に着目して、自分に合った投信を選ぼう

投信 分類

「投資信託を始めてみたいけれど、たくさんあって、どれを選んだらよいか分からない」という声をよく聞きます。

2021年10月末現在、日本で販売されている公募投信は、5,899本です。これだけある中で「自分に合った投信を選びましょう」と言われても、いきなり投資初心者が選ぶのは難しいですよね。

投資信託には、特徴が似ているもの同士をまとめた「分類」があります。分類に着目すると、投信ごとの商品性が捉えやすくなります。そこで今回は、投信選びの助けになるよう、投信の特徴ごとの分類をお伝えしましょう。

投信の分類に着目して特徴を捉える

投信の分類には、様々な角度から見た、いくつかの分け方があります。主な分類の基準として、下記のような分け方があります。画像をクリックすると拡大します。

設立形態


契約型:運用会社と信託会社が契約を結んで作った投信。日本の多くの投信がこの形。

会社型:投資法人を設立し、株式のような形で投資口を発行して資金を募集する投信。不動産投信(REIT)がこの形。

投資する資産


株式/債券/不動産投信(REIT)/金や原油の取引など/これらに分散投資をした資産複合(ミックスアセット)など。これらの投資資産の組み合わせとその配分が、投信ごとの個性になる。

投資する地域


日本、米国、中国、アジア、欧州というように、投資の対象とする国や地域。1つの国や地域に限定する投信のほか、先進国・新興国というように投資対象のカテゴリを限定する投信もある。
また、国や地域を絞らず、幅広く世界各地(グローバル)に投資するものもある。

追加購入の可否


追加型(オープン型):募集期間だけでなく、運用されている期間中は、基本的にいつでも購入できる。

単位型:当初募集期間(新規設定時の約1ヵ月程度が多い)のみ購入できる。換金可能な時期を限定している場合と、換金はいつでも可能とされている場合がある。

運用目標


インデックス運用:市場全体の値動きを示すインデックスをあらかじめ定め、その市場の値動きに連動することを運用の目標にする。インデックスには、単一の市場の指標もあれば、世界の市場をまとめた指標もある。また、株式市場に限らず、債券市場の指標や不動産投信(REIT)などの指標もある。

アクティブ運用:投資戦略や投資テーマを持ち、市場平均を上回る値動きを目標にする。

為替ヘッジ


あり:外国通貨建ての資産に投資をする場合、為替相場によって資産価値が変動する。円安・外貨高になれば、運用対象の株価などに変動がなくても、為替の要因で資産価値が目減りする。この変動が基準価額に影響しないように運用されるタイプ。為替変動リスクの回避(ヘッジ)が「あり」という意味。

なし:為替相場の変動に応じて、投資する資産の価値が上下する場合、運用資産の増減に影響するタイプ。為替変動リスクの回避(ヘッジ)が「なし」という意味。

収益分配金の有無


分配型:決算をして運用収益があった場合、収益の一部を現金化し、「収益分配金」として投資家に還元する。決算の頻度は、年に1回、2回、四半期ごと、毎月などがある。

無分配型:決算を行って運用収益が発生していても、その都度投資家に還元せず、運用資産の中に組み入れる。以後の運用の原資の一部になるため、複利効果が得られる。

これらの分類は、目論見書の冒頭に明記されています。インターネットで投資をする場合、目論見書はダウンロードできます。一見、難しそうな書類と感じるかもしれませんが、冒頭の要約部分は分かりやすく書かれています。ぜひ目を通しましょう。

また、投信の名前からも、ある程度の特徴が想像できます。例えば、「グローバル・バランス・インデックスファンド」という投信なら、投資地域は「グローバル」すなわち世界各地、投資対象商品はさまざまな資産に「バランス」配分する「インデックス」に連動する投信だということが分かります。

投信の分類に着目して特徴を捉える

上記の投信の商品分類に着目すると、どこの地域で、どういう通貨の、どのような金融商品に、どのような配分で投資をしている投信なのかがわかります。基準価額が上下する理由を理解しやすくなります。

投信の基準価額が変動するのは、投資対象の国で、景気や政治、投資家の行動などに何か変化があるからです。その国の株価指数などは、値動きの道しるべとなります。

例えば、日本株だけで運用する投信なら、日本の経済や政治などの影響を受けます。米国の債券に投資しているなら、米国の金利やドル相場が投信の基準価額を左右します。グローバル型の投信は、世界全体の金融市場の動きを反映します。

また、日本と海外では景気のタイミングが違うこともあります。投資している金融所品が違えば、一般的に違った値動きをします。

ある投信と別の投信の間で運用成績などを比較する時には、同じ特徴の投信どうしで比べるが鉄則です。同じ分類の中ので比較するようにしましょう。