パート勤めの主婦がiDeCo加入のメリットはある?

主婦 iDeCo

こんにちは。My Money Coach代表 高野具子です。

最近主婦の方から「iDeCoが所得控除されることは知っているけれど、収入の少ない私がやるメリットがあるのかしら?」「夫がすでに会社でやっているし、必要なのでしょうか?」という相談が入ってきます。

今回は、主婦がiDeCo加入した場合のメリットについて解説します。

ここでは、夫が会社勤めのサラリーマン、妻はパート勤めのケースとします。

主婦がiDeCoをしてもメリットがない?

よくiDeCoのメリットに“所得控除”が挙げられます。収入(年収)からiDeCoの掛金分を「控除」することで、所得税額が下げられるというものです。

パート収入130万円以内の場合

たとえば「130万円の壁」(社会保険料が発生)を超えないようにするために、その年のパートは110万円に抑えて働いたとします。

110万円-(基礎控除48万円+給与所得控除55万円)=7万円の所得となります。

出所:「所得税速算表」国税庁HPより抜粋

上記の所得税速算表より、5%の3,500円が所得税として引かれます。

決して高額ではありませんが、仮に時給1,100円で働いていたとした場合、3時間強分ですから、パート勤めとしては手取りから引かれるのはもったいないと感じることでしょう。

もしiDeCoに加入し、積立を行うと

夫の社会保険の扶養内の主婦の場合、国民年金の第3号被保険者となり、iDeCoは月々23,000円まで掛けられます。仮に月々6,000円掛けたとすると、年間72,000円の掛金となり、この分がそのまま「控除」の対象となります。

つまり110万円-(基礎控除48万円+給与所得控除55万円)=7万円の所得からさらに、72,000円(70,000円)控除すると、所得が0円で所得税が掛からなくなり、iDeCoのメリットである「節税効果」が享受できます。

iDeCo加入すると、パート時間を増やせる?

たとえば配偶者特別控除のボーダーとなる、「年収150万円(所得95万円)の壁」を超えそうな時。

前回(配偶者控除「201万の壁」とは?わかりやすく解説)でも触れましたが、夫の所得が900万円の場合、妻の所得が95万円であれば、所得控除額は38万円。妻の所得が95万円を超えると段階的に夫の所得控除額が下がっています。

この年の所得が110万円だったとします。その場合、夫の配偶者特別控除は26万円となります。

ここで妻がiDeCoの満額である月々23,000円を行うとします。すると年間276,000円が控除されるため、
所得110万円-276,000=824,000円となり、夫の配偶者特別控除も所得控除額は38万円に戻ります。

もし時給1,100円で働いていたとした場合、276,000÷1,100=250時間も増やして働くことができるようになり、パート収入も増えます。このときの所得税は、824,000円✕5%=41,200円です。

所得税も増えますが、収入と将来の積立額が増えることを考えると、「壁」にこだわりすぎる必要はないの言えるのではないでしょうか。

※ただし社会保険の扶養は夫の健康保険組合の規定で決まるため、確認しておいてください。

収入103万円以内の場合

では、「103万円の壁」(所得税が発生)を超えないようにするために、100万円に抑えてパート勤めをしたとします。

すでに基礎控除48万円と給与所得控除55万円でそもそも「所得」はゼロとなるため、iDeCoに加入しても所得控除の効果は得られません。

所得控除が得られなければ、iDeCo加入する意味はない?

iDeCoのそもそもの加入目的を考えてみましょう。将来のための積立こそがiDeCoの加入目的です。年金の基礎部分である国民年金(全員加入)、2階建ての厚生年金(会社と自分で用意)、iDeCoは3階に位置し、いわば自分で行う「じぶん年金」で、加入するもしないも自分次第です。

iDeCoの掛金満額を30年間積み立てた場合、23,000円✕12ヶ月✕30年間=828万円もの積立ができます。
さらに商品選択を投資信託にし、3%運用できていたら、約1,300万円もの積立が可能となっていきます。

受取時の控除

さらに積み立てる期間の「控除」のメリットはないものの、受取時の「控除」は加入することで、享受できます。一括受け取りの場合「退職所得控除」、年金受取の場合は「公的年金等控除」が受けられます。

まとめ

iDeCoは所得控除ばかりに注目されることがあり、人によっては「主婦はiDeCo加入しても意味がない」と言われることもあります。しかしiDeCoの本来の目的は将来のための積立であり、積立できるなら、主婦であろうと誰もが行うべきだと考えます。

さらにiDeCoの所得控除を考慮することにより、今まで抑えてきたパート時間を増やすこともできます。これにより、パート収入も増やし、将来の積立も始められ、まさに一石二鳥と言えるのではないでしょうか。

「パートだし、収入が少ないし」とiDeCoを始めていない方に、ぜひ一歩踏み出していただければと思います。

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