なぜ副業禁止なのか?企業の言い分と本音について解説

副業禁止 なぜ

新型コロナウイルスの猛威で、働き方を含めて世の中の意識が随分と変化しているように思います。

リモートワークも定着してきたようで、今までは打ち合わせとはみんなが会議室に集まって行うもの、という常識が無くなったと言えますし、営業を行う場合も、人に直接会うというのが基本的なやり方でしたが、今では新規の営業でさえリモートに置き換わりつつあります。

ほんの2年前までは考えられなかったことです。

また、コロナの影響で業績が随分と下がってきている企業も多く、そこで働いている従業員の方々も不安に感じている事でしょう。

そのせいか副業に関する話題が最近増えており、特に20代、30代のサラリーマンの方々の中には副業を実際に始めたり、これから副業をやってみたいと興味を持っている人も増えています。

サラリーマンの立場から言えば、給料が上がる見込みもなく、世の中の景気を見ていると先行きに不安を感じている方もいる事でしょう。

今の立場と条件を確保しつつ、追加で収入を得られる副業というのは非常に良い手段なのですが、ここで十分に注意して欲しいのは、会社によっては副業を禁止している所も多く、許可をしていても申請を義務付けしている、報告を求める企業もあるという事です。

なぜ企業は副業禁止をするのか?企業の言い分と本音について解説していきます。

最近の企業の副業認可状況について

最近の副業に関するデータをいくつか見てみると「勤め先が副業を認めているか」という質問に対して

禁止されている 約60~70%
認められている 約30%

という結果が出ています。

逆に「自分が勤務している会社で副業が認められたら、副業をしたいか」という質問に対して「したい」と「どちらかと言えば副業したい」の合計が70%を超えています。

会社側の気持ちとサラリーマン側の思いでは多少のギャップが見て取れます。

副業をしたい理由については「収入を増やしたい」「収入を得る手段を複数持っておきたい」が大多数を占めており、やはり副業をしたいというモチベーションは収入UPにあるようです。

もし、副業を始める際は副業の内容にもよりますが、大きく稼ごうとすると、それに伴う準備、計画、行動が必要となってきますが、根本的な問題として「会社が副業を認めているか」というハードルが存在します。

また、会社が副業を認めていてもそれは諸手を挙げて奨励しているとは考えにくく、どうしても会社の経営側は副業によるデメリット、リスクを考えています。

副業を禁止している企業は、そのリスクがあるがゆえに禁止しているので、それら副業禁止の会社の言い分を知ることにより、これから副業を考えている方の参考になるかとも思いますので、詳しく見ていく事にしましょう。

なぜ企業は副業を禁止するのか

なぜ企業は副業を禁止するのか?という問いかけに対して、リクルートキャリアが実施した意識調査結果に会社側の理由が明確に表れていると思いますので、引用しますと、大きく4つの項目があげられています。

  1. 社員の長時間労働を助長してしまうから。
  2. 労働時間の管理・把握が困難だから。
  3. 情報漏えいのリスクがあるから。
  4. 副業先が競業会社だった場合、利益相反につながるから。

確かに会社側の言い分としては筋が通っていますね。
それぞれを解説しますね。

理由1:社員の長時間労働を助長してしまうから

副業は本業以外の時間に行うものです。

会社側が過度な副業を許してしまうと、社員の長時間労働を助長してしまうことになります。

理由2:労働時間の管理・把握が困難だから

労働基準法38条1項には、「労働時間は、事業場を異にする場合においても、労働時間に関する規定の適用については通算する。」と規定しています。

複数の会社で就労する労働者の場合、全ての会社で就労する時間を合わせ、1日8時間を超える部分について、会社は割増賃金の支払いを義務づけられています。

会社側はこのような義務が規定されているので副業を認めてしまうと、会社が労働者の労働時間の管理・把握することが複雑、しかも困難な作業になってしまうのです。

理由3:情報漏えいのリスクがあるから

もし、雇用している従業員の副業先がライバル企業だった場合、本業の重要な機密情報が流出した場合のダメージは非常に大きいでしょう。

ライバル企業ではなかったとしても副業の業務を行っている間に機密情報が外部へ漏れてしまう可能性もあり得ます。

理由4:副業先が競業会社だった場合、利益相反につながるから

同じ業種の他の会社で副業を始めれば、副業で成果を出すことが、本業に対して不利益を生じさせる事につながってしまいます。

これは利益相反にあたり、本業の会社は常識として制限をすると思われます。

このような会社側の言い分を見ると、確かに筋は通っていますし、ごもっともだと思いますが、少し意地悪な目線で会社側の本音を探ってみましょう。

副業禁止に対する会社側の本音

副業禁止に対する会社側の本音は、下記の通りになります。

本音1:本業へ影響が出る事への懸念

基本的に会社側の考えとしては「自社の利益を確保する」というのが一番初めにあります。

会社側の想いとしては自社で働いてくれている従業員、特にスキルを習得している様な人材を安定的に雇用できるのであれば、それに越したことはありません。

そして、できるだけ自社の本業に影響が出ることを望んでいないのです。

副業を行うとそれだけ長時間の労働を行う事になるので、疲労による本業の仕事がおろそかになる懸念があるのでしょう。

会社としては「しっかりと、こちらの仕事をして成果をあげて欲しい」といったところが本音でしょう。

本音2:優秀な人材の流出、退社の防御

副業を考えるような方は基本的にやる気があり、仕事もできる場合が多く、そのような人材は雇用している会社側にとっても必要な人材です。

簡単にいえば優秀な人材なのです。

会社の立場で考えると、そのような優秀な人には自分の会社だけで一所懸命働いて欲しいと考えるのが常識でしょう。

そのような優秀で能力の高い従業員に副業に精を出されて本業を疎かにしてほしくないのです。

また、優秀な人材は副業先の企業にとっても必要となりえる人材ですし、そちらの経営者としてみたら引き抜きを考える事も大いにあり得ます。

会社員の方は自分の会社で長く働いていると、他の会社がどのようなものであるとか、客観的な自分の価値というものを割とわかっていないケースがあります。

世の中には条件や環境の良い会社もありますし、年収UPも大いにあり得ます。

会社側はそのような事を漠然と恐れており、副業を禁止することで、自社の社員を本業に専念してもらい、優秀な人材は囲い込んでおきたいと考えているのが普通だと思われます。

副業を始めたい方へのアドバイス

最後に、会社の言い分も理解できるし今の会社を辞める気は無いが、諸々の理由で副業をやりたいという方へのアドバイスを書いておきましょう。

アドバイス1:本業に支障をきたさない範囲でできる副業を選ぶ

上述しましたように、会社が副業を嫌がる本音は「副業を行う事により、本業に支障が出て、生産性が落ちる事」です。

副業を始めて、勤務態度が悪化したり(遅刻したり、疲れによる生産性の低下)、ご自身も精神的、肉体的にあまり負担が無い範囲での副業を見つけるという事を覚えておいてください。

アドバイス2:本業と競合になる副業はしない

本業と同じ業種は、ご自身がノウハウもあるし、状況もわかっており着手しやすいというメリットが多いにありますが、裏を返せばそれは本業を裏切っている行為とも取れます。

最悪の場合は本業の会社との訴訟にもなりかねない事も考えられますので、本業と同業の副業はやめておきましょう。

副業禁止なぜ:まとめ

会社が副業を禁止する理由は、社員の健康と機密情報を守る事です。

しかし穿った見方をすれば優秀な人材を自社に囲い込んでおきたいからとも言えます。

どうしても会社員という立場で副業を行う場合は100%自由に自分が思うようにとはいかないものです。

副業を行う場合は、今自分が置かれている状況を客観的に判断して、トラブルの無いように進めて下さね。