転職前は企業型DCをやっていたのに、転職先に企業型DCが無かった!どうしたらよい?注意点は?

転職前は企業型DCをやっていたのに、転職先に企業型DCが無かった!どうしたらよい?注意点は?

前回は、転職前までiDeCoを行っていたが、転職先にDCがあり、その場合のiDeCoの扱いについて解説いたしました。今回は、逆のケース「転職前まで企業型DCをやっていたが、転職先に企業型DC(以後DC)が無かったとき」についてお伝えします。

転職後の手立て~DCからiDeCoへ移換

企業型DCがない会社に勤務することとなった場合の手立ては1択です。iDeCoを始めます。そして開設したiDeCoに今までのDCの資産が移されていきます。これを移換といいます。

移換は今までの資産を精算(現金化)することです。この現金化した資産に、積み増ししていく場合、積立を継続(掛金を拠出)するを選択します。あるいは、もう60歳も近いし、そろそろ受け取る準備を始めたいという場合は「移換のみ」を選択するとよいでしょう。

積み増しを行い、運用を継続していく場合は、(運用状況にも寄りますが)資産を増やし続けることができます。

しかし移換のみを選択した場合で、運用しない商品「定期預金」等を選択すると、手数料だけが掛かり続けることとなり、資産が少しずつ減る可能性もあるため注意が必要です。

運用商品(投資信託)に預けることで、積み増しはしないものの運用だけ続けることができますので、運用期間がどのくらいになるのか考えた上で、商品選択していきましょう。

多くの方が陥る落とし穴~はまらないためには?

1.「うっかり放置してしまった」ケース

放置して6ヶ月経つと、企業型DCで積み立てた資産は、国民年金基金連合会という確定拠出年金の大元締めに、自動で移されます(自動移換)。この場合も「移換」ですから、強制的に自分の資産が精算し、現金化されます。「全く無くなるということはないから安心」とも言えません。ここでは事務手数料や月々の手数料が掛かり続け、少しずつ自分の資産が減ってしまいます。

さらに、自動移換されている期間は通算加入者等期間に算入されません。これは受取時に影響します。「退職所得控除」が使える年数が減ってしまいます。

早急にiDeCoを開設し、取り戻しましょう。

2.iDeCoを開設したもののそのまま放置

iDeCoを開設し、無事に国民年金基金連合会から移換できたとしても、商品選択をしなければ、iDeCoを開設した金融機関でこの商品で自動で運用するよ、という「デフォルト商品」で運用することとなります。

自分の意図とは違った運用となることがあり得ますので、しっかり管理することが大切です。
※勤続年数3年未満で転職した場合

会社のDCの規約により、拠出していた掛金を事業主(前の会社)に返還する場合がありますので、転職時には必ず確認しておきましょう。

スムーズに手続きを行うには

iDeCoの開設には約2ヶ月ほど掛かりますので、転職が決まった際、早めにiDeCoを開設準備しておきましょう。

iDeCo開設する申し込みの時点で、運用商品を決めることができる金融機関もあります。この時点で運用商品を決めておけば、DCから移換する際、その資産をすぐ運用し始めることができます。

以上、転職前までDCをやっていたが、転職先にDCが無かったときの手立てと注意点について、お伝えしました。転職活動で忙しい中、見落としがちなことですが、大切な資産です。しっかりチェックし、自分の資産運用も転職後の活躍も成功させていきましょう。