個人年金保険って入ったほうがよい?保険会社が倒産したらどうなる?

個人年金保険

20代女性の方から次のような質問をいただきました。

「20代の今から個人年金保険を始めても、受け取るときは60歳。先のことを考えても40年以上安泰の保険会社なんて分かりません。大手だから大丈夫だと思っていても、不正などで倒産をすることもあると思います。そうなると個人年金はムダになってしまうのではないか、と不安に感じることがあります。」

「保険会社が倒産をしてしまった場合、今まで支払っていた積立金はどうなってしまうのでしょうか?」

同じような疑問や不安を持つ人は多いと思います。今回は、この事例について解説していきます。

改めて個人年金保険の形を振り返る

個人年金保険は、契約内容にもよりますが多くの場合「60歳まで保険料を支払い、そこから10年間に渡って、積み立てた金額プラス利息を受け取っていく」という形が一般的です。すると、現在20代の人は、受け取り始めるのが40年後、受け取り終わるのが50年後ということになります。

確かに40年、50年先のことなど誰にも分かりません。40代の筆者が生まれた頃は、黒電話で今のように携帯電話が普及するなど想像もできませんでした。しかしこの黒電話、いまや見る影もありません。このように大きな変遷を遂げる中、3年~5年程度ならまだしも、50年ともなるとどう変革を遂げていくのか、世の中の状況が全く想像できない相当な期間を、積み立てし受け取っていくものです。

個人年金保険は「そういうものだ」という一言で片付けることもできますが、改めて想像ができない世の中になっていると考えてみると怖くなりますね。

保険会社が倒産したらどうなる?

万一倒産した場合ですが、生命保険は、生命保険契約者保護機構というセーフティネットがあります。そこから、引き受ける保険会社があれば、引き継がれます。万一引き継がれない場合でも、生命保険契約者保護機構で預けられます。専門用語で言うと「責任準備金の70%が保証」と言われています。しかしこれは積立額の70%というわけではありません。そのままの額が引き継がれるかどうかは倒産の状況に寄りますので、何とも言えません。

そうなる前に、保険会社も対策を講じます。それは保険会社同士の合併です。たとえばA社がB社を吸収合併します。その場合、ガラリと新たな生命保険会社名になることもありますが、よく「A・B社生命」と長い名前になるケースも見受けられ、合併したことがわかります。合併であれば、保障はそのまま変わることなく引き継がれます。

倒産リスクの対策

資産を預けるたとえで「卵は1つのカゴに盛るな」と言われます。1つのカゴに盛ってしまうとカゴを落とした時に全部の卵が割れてしまうからです。同じように、個人年金保険だけに資産を預けておくのではなく、分散していくことをお勧めします。もしまだ始めていないのであれば、iDeCoやつみたてNISAで積み立てを行うのも1つです。