前回は、米ドル/円、ユーロ/円などの先進国の通貨が似たような動きをしている事をお伝えしました。
本記事では、南アフリカランドとブラジルレアルの値動きについて解説していきます。
上記2つの通貨ペアも、同じような動きをするのでしょうか?
実際の動きを確認していきましょう。
目次
南アフリカランドとブラジルレアルの値動き
それぞれ解説していきます。
まずは、南アフリカランド/円から。
南アフリカランド/円は、過去、どんな値動き?
南アフリカランド/円の月足チャート
チャート作成:TradingView
いかがでしょう。全体的に下落トレンドが続いています。
前回、ご紹介した米ドル/円とは値動きがだいぶ違いますよね。高金利だからって、南アフリカランドを単純に買うだけではうまくいきません。そして現在は、2020年の4月の安値からの上昇が続くかどうか、楽しみなところです。
ブラジルレアルの値動きは?
ブラジルレアル/円の月足チャート
チャート作成:TradingView
次にブラジルレアル。南アフリカランドと全体的に見ると似た値動き。ただし、細かいところでは、結構違う値動きも。
先進国と新興国の違い
南アフリカとブラジルが、似ている値動きをする理由は「新興国」&「資源国」だから。
南アフリカやブラジルなどは経済発展が遅れているものの、成長のポテンシャルが大きいことから新興国とひとまとめに呼ぶことがあります。
新興国は先進国と経済状態や金融政策が違います。そのため、先進国の通貨とは値動きも違います。
産業としては、完成した工業製品やサービス業よりも鉄・金属・エネルギーなどを輸出する方が多い。そのため、資源=石油や鉄などの値動きに経済が左右されがち。
特に、資源が豊かでそれを輸出して外貨を稼いでいる国を「資源国」と呼びます。世界的な好景気やインフレなどで原油・鉄などの資源価格が上昇すれば、景気がよくなり通貨が上昇しやすくなります。
主な資源国と生産している資源
- オーストラリア:鉄鉱石、ボーキサイト(アルミ原料)
- カナダ:天然ガス、原油
- 南アフリカ:金、白金
- ブラジル::鉄鉱石、原油
新興国は高金利かつ成長力に優れている。だからこそ、新しく興るという感じなんですけどね。
足の早い投資マネー
そのため、世界的に好景気の時期はリスクをとって稼ぐチャンスとばかりに、投資マネーが集まります。お金が投資されれば、経済が成長し通貨や株式が上昇しやすくなります。
逆に不景気だと、リスクを恐れて投下された資金が逃げ出し、通貨や株式が下落してしまいます。
投資マネーは恐る恐るリスクを取るわりに、経済が成長し始めると勢いに乗ってどんどんマネーが入っていきます。ところが、一旦成長が鈍り始めると逃げ足は早い早い。まさに、脱兎のごとく逃げ出していきます。
時には、為替相場を守るために中央銀行が介入を行うのですが・・・それすらも蹴散らして、為替や株式が暴落してしまうこともあるので気をつけなければいけません。
1997年に生じたタイ・バーツをきっかけにしたアジア通貨危機は、そういった新興国危機の一つとして代表的な事例です。