アジア投資の鬼才 JACK 佐々木にインタビュー|後編

JACK佐々木

こんにちは、アセットキューブスタッフの山田です。

今回はアセットキューブで講師を務めていただいているJack佐々木さんへのインタビュー後編になります。

前編の記事に続いて、今回はアジア不動産投資の「超」プロフェッショナルである佐々木さんの失敗談や哲学について、迫っていきたいと思います。

JACK佐々木 アジア投資の鬼才 JACK 佐々木にインタビュー|前編

世界を股にかけた“失敗”

山田:
それではここから佐々木さんの失敗について聞いていきたいと思います。

でも、ここまでのお話を聞いているとあらためて華やかな経歴をお持ちだと思ったのですが、どんな失敗の経験をお持ちなんですか?

佐々木:
そうですね、失敗談で言うと前にフィリピンの投資案件で、油が取れる植林事業をやっていました。

その植物から取れた油を売って利益を得ていて、大手印刷会社にも納品することも決まり、話が進んでいたのですが、ある時点から雲行きが怪しくなって、本来なら買い増しをして土地も増えていくはずだったのに土地は増えていなし、植林もされていない事に気づいたんですね。

よくよく調べてみると、フィリピン現地サイドで実際に事業をやっている日本人のボスみたいな人がいて、その人が売却して得た利益を違うところに回していたんですね。

日本人が日本人を騙す、詐欺事件の大本って、実は日本人のケースが多いんですよ。

山田:
そんなことがあるんですね。

現地に精通している日本人が、何も知らない日本人を騙すみたいな感じですか?

佐々木:
そうです、アジアの場合はそれが多いです。

なので本来はローカルの人や、お金を持っている人と組まないといけないですね。

そこと繋がって、組むというのが難しいんですが(笑)やっぱり、縁と運が重要になってきます。

結局、この事業は無くなって、私だけでも、5000万円ほどのお金を失いました。

山田:
そうだったんですね。

当時はどういった心境でしたか?

佐々木:
生きている居心地はしなかったですね。

3箇所あったフットサル場も縮小して1箇所にしたり、スタッフも最終的に僕一人にしたりと大変でした。落ちるとこまで落ちましたね。

お金の問題もあるし、どうしようどうしようと考えましたが、考えるたびに思考停止状態になりましたね。

山田:
普通なら、どん底まで落ちたら抜け出せない人も多いと思うんですが、どうしたんですか?

佐々木:
そうですね、多くの周りの方からも、当時やっていた会社をたためと言われていたんですが、結局やめるという選択をせずにやっていたんですね。

もちろん自分の気持ちから抜け出すまでに1年半くらいはかかりました。

動き出したきっかけは太陽光事業でした。

価値のある現物にお金を変えておくことが大切

山田:
太陽光ですか?

太陽光には、投資のイメージがあるんですが。

佐々木:
そうなんですよ。

言ってしまえば投資なんですが、これまでの投資と何が違うかというと一括償却できるという特徴があるので、企業にとっては「節税効果」をもたらしてくれるんですね。

2000万円で買ったら2000万円全部を経費にできるんですよ。

なので例えば法人がその期に5000万円の利益がでていても、2000万円買っていたら、3000万円分に対して税金がかかるので、節税に繋がります。

山田:
それは大きいですね。

5000万円か3000万円かは全然違いますよね。

佐々木:
そうですよね。

太陽光も本格的に動き出して、なんだかんだ3、4億円くらいの売上はあったので、今振り返ると、そこから徐々に盛り返してきたのかなと思いますね。

山田:
すごいですね!

失敗の後も諦めずに、新たな事業を展開して、成功を掴み取ったということですね。

その後は、大きな失敗もなく現在に至るんでしょうか。

佐々木:
いや、実は「金(GOLD)」で、3、4000万円くらい騙されましたね。

ウガンダに仕入れに行ったのですが、そこで騙されました。

まぁ、そのおかげで裏事情が分かったので、ある意味良い経験になりましたね。

山田:
そこまでスケールが大きい話になると、騙されたということより、ウガンダまで金を仕入れにいったというストーリーの方が気になりますね(笑)

金といえば、安全で手堅いというイメージでした。

佐々木:
もちろんそのイメージは間違いないですが、やはり知識は必要ですね。

山田:
そういう失敗も経て、いまの地位を築き上げた佐々木さんの中で、何か信念や軸などってあるんですか?

「これがあったから乗り越えられた」などがありましたら、ぜひお聞きしたいです。

佐々木:
いろいろ失敗して無くなってきたんですが、その経験をして思うのが、無くならないものにちゃんとお金を入れたいなと考えるようになりましたね。

株式や投資信託などは言ってしまえばバーチャルの世界なので、お金をなくさないようにするのであれば物があるものにお金を変えておくことが大切だと思いますね。

そういう点を踏まえて、私はバリやフィリピンの不動産というのを選択しました。

あとは担保が取れるような案件かどうかですよね。

そういった思考に変わりました。

僕の哲学は「減らないものに投資をすること」

山田:
なるほど、あと佐々木さんは多くのセミナーでお話をされてきた経験もありますよね?

佐々木:
そうですね。

ただ、僕、金融関係の肩書とかは無いので(笑)

やってて思うのが、投資初心者の方って肩書を気にされるんですよね。

なのでセミナーでは講師というよりは、投資の経験者としてお話をさせていただくことがほとんどですね。

「これまでの経験や行った国、こういった投資をやってきました、結果こういうのが良いと思います」みたいな話をしていますね。

山田:
そうですよね。

日本人的な思考だと、〇〇大学卒とか〇〇証券出身といった肩書に惹かれるという方は多いみたいですね。

ただ、佐々木さんの場合は投資のリアルな情報を知っている。

そういった生の情報は、やはり経験者の方からしか聞けないですよね。

肩書のある方たちのお話も大事だと思うんですが、これから投資を始めたいと思う方は、どんどん佐々木さんみたいに教科書には載っていないような、実際に現場に近い情報を知っておくことが大事になってきますよね。

佐々木:
そうですね。

先程もお伝えしましたが、私の場合は大きな失敗もしてきたので、初心者の方でも取り組めるような案件というのも熟知しているつもりなので、投資家として一歩を踏み出しやすかったり、そこから学習していただきたいと思いますね。

あとは、海外にももっと目を向けていただきたいです。

みんな知らないだけで、構造さえ知ってしまえば、日本の方が利益が出にくいことに気付くと思います。

知らないのが損、とまでは言いませんが、知っておくと得だとは思いますね。

山田:
知っておくか知らないかで大きく違ってくるんですね。

今のお話につながると思うんですけど、投資初心者ってまず何をすればいいのか分からないと思うのでまず取り組んでおくべきこととかありますか?

佐々木:
まずは自分の生活設計を考えて、どのくらいの利回りの商品に投資するのかを知ることです。

これが分からないと、たくさん稼げる案件しか見えなくなってしまうので、まずはそうではないことを認識することですね。

自分の人生設計から導き出す利回りを知ることで、安心して運用できるようになります。

例えば、3、4%の堅い運用でも達成できるとわかれば安心感が違いますからね。

あとは、どれだけ稼いだ方がいいかと、どれだけ抑えたらいいのかをコントロールすることですね。

そのために、投資をする目的を明確にして逆算していくことですね。

目的を持つことで、行き先が明確になるので、やることも自然と分かってきます。

どちらにも言えることは、自分の現状の立ち位置をしっかりと知ることが重要です。

山田:
なるほど。

初心者の方でも、人生設計と目的をはっきりとさせれば、怖がる必要はないということですね。

ちなみに、資産運用や投資に関する知識を吸収するにあたって、初心者の方におススメの勉強方法はありますか?

佐々木:
ひとつは本を読むこと。

あとは実際にいろいろな人から話を聞くことですね。

それが一番早いです。

投資を始めたての方ってお金に先行しがちなので、失敗してしまうケースが多いんですね。

ただ、僕は投資の失敗はある意味「振り幅」だと思っています。

失敗の振り幅って最初は大きいものです。

それが経験をして慣れてくると振り幅はどんどん小さくなってきて、最後、全然振れなくなってくる。

結果として失敗しなくなってきます。

なので、失敗を恐れずにまずは経験してみることです。

仮に失敗しても、そこから学べることには大きな価値があります。

失敗の振り幅を測るためにも、少額でもできる投資から始めて、自分なりの振り幅を確かめていく。

その経験に対して、答え合わせを積み重ねていけば、自分なりに築いた結果が、答えに近くなることで、振り幅は小さくなってきているということです。

この積み重ねが投資においてはとても重要なことです。

世の中には、失敗をしないと分からないことが多いので、その失敗は最小限で抑えたいじゃないですか(笑)

山田:
振り幅、、、すごい納得しました。

やはり失敗から学ぶことは大きいですね。

佐々木:
まあ失敗は最終的にプラスになっていればいいのでね(笑)

そして重要なのは、『自分なりの投資哲学』を持つことです。

これがないと軸がブレて目移りもあるので。

僕の哲学は「減らないものに投資をすること」です。

一時的に減っても、長期的に見たときに伸びていればいいと思います。

山田:
ありがとうございます。

最後にこれをご覧なられている方にメッセージをお願いできますか?

佐々木:
投資をしないといけない理由はしっかり考えるべきだと思います。

一番の背景にあるのはライフプランだと思っていて、人生設計を描いたときにどれだけのお金が必要なのかは当然あり、やりたいことや夢もあるじゃないですか。

そこを分かった上で目標額を作ったほうが投資に参加しやすいですよね。

どのお金をどのくらいまで増やそうというのが明確になっていればとてもやりやすいと思います。

あとは、一歩踏み出して経験すること、その経験をフィードバックできる環境にいることが重要だと思います。

コミュニティであったり、そういった仲間を作ることでお互いに良いことがありますので、
ぜひ、失敗を恐れずに一歩を踏み出してみてください。

山田:
ありがとうございました。

海外投資の生きた情報や繋がりを多く持っている今の佐々木さんの姿があるのは、若いうちから投資だけでなく、様々な経験をされてきた背景があることを知れました。

佐々木さんのように成功されている方がこれだけ多くの失敗をしてきたということを知れば、「失敗」を恐れて何も始めない方々にとっても最初の一歩を踏み出す大きなきっかけになると思います。

  • 投資をする目的を明確にする
  • 自分の生活設計を考えて、どのくらいの利回りの商品に投資するのかを知る

この2つのポイントを押さえて、ぜひ、ご自身にあった投資を始めてみてほしいですね。

本日はありがとうございました。

JACK佐々木 アジア投資の鬼才 JACK 佐々木にインタビュー|前編