「投資を身近に!」をモットーに、ダイエットになぞらえてお伝えしています。今回は、投資もダイエットを成功させる「仕組化」についてお話しします。
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正しい方法を知っていても惑わされる
以前の記事「行動経済学からみた投資をダイエットに照らし合わせて解説」より、行動経済学の研究から「人間は非合理な行動をとる」ことが実証されていることを述べました。
つまり投資を成功させる一定のルールが【長期・積立・分散】だと頭では理解できていても、それに従って人間は行動できない可能性があるということです。
たとえば【長期】で投資しようと思っていても、元本よりも少し上回った瞬間、上回った分を解約して使ってしまったり。せっかく貯めた元本をもとに運用できたものが、また元本に戻ってしまい、振り出しに戻ります。ダイエットにたとえるなら、せっかく4kgやせたのに、ついそこで食べてしまって元の体重に戻る状態です。
この時点で、元本が増えたから満足したりと、何らかの理由で【積立】を止めてしまうこともあるでしょう。
同時に【分散】もできなくなる誘惑も多々あります。たとえば、値下がりしているから「今だ!」と一点買いするケースです。近年の底値かどうかは、後になってみないと分かりません。仮にうまく近年の底値に近いところで購入できたとしても、次に同じように購入できるかといえば、その保証はありません。
これは競馬とほぼ同じです。「あの馬が今元気が良さそうだから、一気に賭けてしまおう!」たまたま当たればよいですが、次も同じとは限りません。当たった外れたで勝負することとなってしまいます。
これも楽しみの1つとして行うなら決して悪いことではありません。しかし将来の“資産形成”という観点ではどうでしょうか?毎回、当たった外れたでうまくいくでしょうか?
だからこそ仕組化が大切
このように目先の欲に惑わされるのが人間です。正しい行動を取るための一定のルールを知っていても、その通りに実行できるとは限りません。そのため“仕組化”することが大切です。
実は、すでにこれを“仕組化”してくれる制度があります。
それは確定拠出年金です。個人で行う場合は個人型確定拠出年金つまりiDeCoであり、企業内で導入されている場合、企業型確定拠出年金(企業型DC)です。
ダイエットも同様です。頭で考えてしまうと、目先の欲に惑わされてしまいます。せっかくうまく行っていても、リバウンドするケースが多々ありますよね。
次回、確定拠出年金の制度について、解説していきます。