株式投資はギャンブルではない|初心者は長期投資と分散投資をしよう

株式投資がギャンブルでない理由をプロが解説!!

「投資」に対して、あなたはどのような印象をお持ちでしょうか?

将来のために資産を構築していくうえで、株式投資は有力な手段になります。
ところが、株式投資などの投資全般に対し、ギャンブルというイメージを抱く方は少なくありません。

株式投資がギャンブルというのは、大きな誤解です。
誤った方法で損失を出した方の話が、一人歩きしているのでしょう。

この記事では、株式投資とギャンブルの違いや、株式投資からギャンブル要素を排除するコツなどをお話しします。

株式投資がギャンブルとは異なる3つの点

世の中のサービスや商品の多くは、さまざまな株式会社が提供しつづけています。
その株式会社が新事業を始めるのに欠かせないのが、株主からの出資、つまり株式投資です。

株式投資を行えば、世の中を間接的に豊かにすることができます。
それだけに、株式投資はギャンブルではありません。

事実、株式投資がギャンブルと明らかに異なる点は、少なくとも3つ挙げられます。

この章では、株式投資が単なるギャンブルとどう違うのか、解説していきます。

【ギャンブルとの相違点1】根拠をもって投資先を選べる

ギャンブルの場合は、自身の勘などを頼りに勝負するのが一般的でしょう。
一方で株式投資では、根拠をもって投資の判断ができます。

「A社は、医療ニーズの高まりをチャンスと捉え、医療事業に注力しはじめた」
「B社は、競合他社が現れても、独自の強みがあるので負けそうにない」

このような情報をもとに投資先を選べば、損失を避けやすくなります。

根拠をもって判断できる点は、株式投資がギャンブルと決定的に違うところです。

【ギャンブルとの相違点2】参加者全員が勝者になりうる

ギャンブルには勝ち負けがあります。

勝者の利益と敗者の損失が相殺されて損益合計がゼロになる、ゼロサムゲームこそがギャンブルの本質。
誰かが得した分、他の誰かが損します。

そのため、ゲームの参加者全員が利益を受け取れることは原則ありません。

しかも、参加者のかけ金の一部は、主催者の取り分として差し引かれます。
勝者ですら、敗者のかけ金全部を受け取れるわけではありません。

ギャンブルとは要するにお金の取り合いであり、参加者がのめり込むほど損する仕組みになっているのです。

しかし、株式投資には基本的に勝ち負けがありません。
投資先の株式会社が生み出した利益を、株主を含めた参加者全員が分け合うからです。

株主の視点で捉えると、株式投資したお金を、株式会社が事業活動を通して増やしてくれるわけです。
取り分の総額が増える点も、ギャンブルとは異なります。

【ギャンブルとの相違点3】好きなタイミングで損益を確定できる

ギャンブルは基本的に、その場限りの一回勝負。
勝ち負けにかかわらず、損益を確定させる時期は選べません。

しかし、株式投資には時間的な余裕があります。

株式の購入後に株価が下がったとしても、損失は確定しません。
株式を売却しない限りは、株価の回復を期待できます。

つまり、株式投資の場合、株価が上がったタイミングを選んで利益を確保することができるのです。

やり方次第でギャンブルになりうる株式の短期投資

企業の成長に期待する株式投資は、決してギャンブルではありません。
しかし、短期投資に限れば、やり方次第でギャンブルになってしまう可能性があります。

そのことを理解するためには、「投資」と「投機」の区別が必要です。

そこで、「投資」と「投機」の区別を通して、短期投資のギャンブル性を確認しておきましょう。

「投機」はギャンブルにあたる

「投資」と「投機」は言葉こそ似ていますが、意味はまったく異なります。

投資 投資先の将来に期待して出資すること
投機 相場の変動を利用して短期間で利益を求めること

「投資」は、魅力的な投資先の成長を、資金面でサポートするイメージです。
投資先の事業が成功することで、投資家はリターンを得られます。

投資家だけでなく投資先や社会全体までもが豊かになる点が、「投資」の特徴といえます。

一方で「投機」とは、投資先の細かい価値変動を利用し、利ざやを狙う行為を指します。
いわば市場参加者によるお金の取り合いであり、「投機」はまさにギャンブルそのものです。

短期投資は「投資」よりも「投機」に近い

実のところ、広義の「投資」には、狭義の「投資」「投機」の両方が含まれます。
このややこしさこそが、株式投資そのものをギャンブルだと誤解する方が多い原因となっていると考えられます。

株式の短期投資は、チャート上の細かい値動きを利用して、利ざやを狙う手法です。
したがって、その性質を考えると「投資」とは呼べず、どちらかといえば「投機」(=ギャンブル)に近いといえます。

短期投資はギャンブルと同じく、参加者のなかに必ず敗者が現れます。
それだけに、フィーリングで短期投資していると、大きな損失を招く可能性が高まるので要注意です。

とはいえ、短期投資を「投機」だと言い切ることもできません。
投資先の情報やチャートをきちんと確認していれば、運任せのギャンブルにはならないからです。

知識やスキル、経験を身に付ければ、短期投資においても勝率を高めることができます。
詳しくは、以下のデイトレードの記事を参考にしてください。

株式投資でデイトレードする魅力をプロが解説!! 株式投資でデイトレードを始めるのは簡単?|基礎知識をまとめました

初心者が株式投資をギャンブルにしないためのコツ

株式投資は本来ギャンブルではありません。
したがって、正しいやり方を守ることで、ギャンブル要素は排除できます。

そこで、株式投資からギャンブル要素をなくすコツとして、長期投資と分散投資の2つをご説明します。

【コツその1】長期投資で利益を積み上げる

前章で取り上げた短期投資も、知識やスキル、経験を身に付ければギャンブルとはなりません。

しかし、知識などを前提とするだけあって、短期投資は投資初心者にとってハードルが高いといえます。
初めのうちは、結果的にギャンブルとさほど変わらない状態になってしまう恐れがあります。

そこでオススメしたいのが、長期投資
長期投資は短期投資と比べて、利益を積み上げやすいのが特徴です。

長期投資は、さらに以下の2つに大別することができます。

  • (a)成長企業への長期投資:株価上昇を期待
  • (b)成熟企業への長期投資:配当金などを期待

(a)成長企業への長期投資:株価上昇を期待

成長企業への長期投資であれば、将来的に株価の利ざやを期待できます。
事業が成功して企業価値が増せば、株価も上がるからです。

投資先が予想通りに成長するとは限りませんが、極端に心配する必要はありません。
株価の低いうちに株式を買うわけですから、損失が生じても多くの場合は少額にとどまります。

(b)成熟企業への長期投資:配当金などを期待

成熟企業への長期投資する場合、年に1~2回程度の配当金を期待できます。
最近は減少傾向にありますが、株主優待を用意している企業もあります。

配当金や株主優待は、株式を長期保有しているだけで受け取れます。
そのため、株式投資の知識などが少ない初心者でも、利益を積み上げやすいのが特徴です。

株価の値下がりによる損失リスクについても、あまり気にする必要はありません。
株価が短期的に下がったとしても、長期的には回復・成長することがほとんどだからです。

ただし、不祥事や経営悪化に直面した場合は、株式を早めに売却する決断も必要になります。

【コツその2】分散投資でリスクを軽減

不祥事や経営悪化といったリスクは、いつ発生してもおかしくありません。
万が一、特定の企業に集中して株式投資していると、大きな損失につながる危険があります。

そこで、意識しておきたいのが分散投資です。
分散投資とは、複数の投資先・金融商品に資金を振り分けることを指します。

この投資先・金融商品の組み合わせは、ポートフォリオと呼ばれます。

もっとも簡単な分散投資は、異なる業界に所属する、複数の企業に株式投資する方法です。
いくら成長しそうだからといって、一社に集中投資するのはギャンブルとあまり変わりません。

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また、投資全体で考えれば、分散投資には他にも3つの方法があります。

資産の分散 株式、債券などの異なる金融商品を組み合わせる投資
地域の分散 国内外、先進国と新興国など複数地域の金融商品を組み合わせる投資
時間の分散 購入・売却時期を複数回に分け、株価変動などの影響を抑える投資

なお、地域の分散については、人口増加と経済成長が期待できる国に投資するのがオススメです。
国全体が発展していれば、その恩恵を受けやすくなるからです。

まとめ

この記事では、株式投資とギャンブルの違いや、株式投資からギャンブル要素を排除するコツなどを解説しました。

株式投資はギャンブルとは異なり、自身の利益だけを目的としません。
投資先の企業活動を支援して、企業や社会に良い影響をもたらし、経済全体を活性化させる目的があります。

ただし、投資初心者が株式投資する場合、注意しないとギャンブルと変わらない状態に陥る危険があります。
それを回避するためには、長期投資や分散投資といったリスク回避が欠かせません。

この記事を参考にして、あなたもギャンブルとは無縁の株式投資を始めてみませんか?

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