【株式と為替】値動きの大切な違いとは?

【株式と為替】値動きの大切な違いとは?

これまで、外国為替や外国株式がどのような動きをしているのか「過去の値動き」を見てきました。

両者の値動きは似ているものの、違うところもたくさんあります。なかでも、株式と為替相場で「稼ぎたい、儲けたい」と考えているあなたに大切な違いをお伝えします。

株式と為替の値動きは、根本的なところが違います!

株式は、誤解を恐れずに言えば、買い中心の相場。なぜなら、株式市場のキーワードは「成長」だから。

つまり株式は、経済成長に伴い上昇していくことがプラスであること。株式を持っていない人でも経済成長自体はいいことです。

株は買いこそ正義

成長で、皆が喜ぶ株式相場

経済成長に伴い、株式が上昇していけば喜ぶ人が多いのです。個別の株も同じ。会社が成長し利益を上げていけば、株主だけでなく社員も取引先も喜び、株価も上昇していきます。

そのため資本主義経済の元、経済成長が続けば、株式は長期的に上昇しやすいと考えることができます。

※バブル崩壊後の日本のような失われた何十年もありますけどね!

上昇相場が続けば続くほど、勢いが止められずバブルが起きるのもバブルで得をする人が多いから。そのため、十年に一回程度大きく下落する場面や最悪「バブル崩壊」が生じてしまいます。=サイクル理論として一つの説があるほど。

為替相場は、バランス重視

一方、為替相場は少し違います。為替相場は二つの通貨を交換するレート。そのため片方の通貨が高くなれば、もう一つの通貨は安くなってしまうのです。しかも、通貨は「高ければ高いほどいい」というものでもありません。

米ドルも日本円も両方高くなるということは、他の通貨が安くなるということ。そして、両方ともに同じだけ高くなれば米ドル/円のレート自体は動きません。

そう。米ドル/円が高くなる=円高になれば、それはドル安になるということ。

もし、1ドル=110円の為替相場が100円・80円・70円と一方向に動き続ければ、外国と貿易を行う会社は困ってしまいます。そのため、為替相場は一方向に動き続けると、行き過ぎを調整しようという動きが生じます。

その結果、ある程度の範囲で上下するレンジ相場になりやすいという特徴があります。

二つの通貨を交換

もちろん、アベノミクスや新興国の急激な経済成長など大きな材料が出た時には、一方向に動き続けるトレンド相場になることもあるので注意が必要です。

さらに、為替相場には貿易における赤字・黒字を調整するメカニズムがあるゆえに、調整が起きやすいという理由も。

為替相場の貿易収支調整メカニズムをさわりだけ

貿易黒字が多すぎる国は、通貨高。赤字の国は通貨安へと動きやすい。このように、貿易の不均衡を為替相場の変動によって調整するというのが変動制為替相場のメリット。

日本が米国にモノを輸出する場合。円高になれば、日本製品は米国での販売価格が高くなって売上が落ちます。円安はその逆。

そのため、日本・ドイツ・中国など貿易黒字になりがちの国は、通貨が安すぎると怒られることになってしまうのです。

ドイツが独自通貨のマルクからユーロに変わったこと。巨額の貿易黒字を抱える国「中国」が為替相場の自由化をしていない。と問題も多く、調整メカニズムが完全に機能しているとはいい難いところもあります。

このように、株式と為替の値動きには根本から違うところがあるため、取引・投資時はこれらの違いに注意しましょう。