「投資を身近に!」をモットーに、分かりやすくイメージしながらお伝えしています。
前回の記事では、iDeCoには3つの節税のタイミングがあること、そして1つめ「積立時」の節税をお伝えしました。
前回の記事はこちらから>
今回は、2つめ「運用時」について解説します。
目次
運用中に税金が掛かる?掛からない?
iDeCo口座で積み立てを行い、運用中に運用益が出ても非課税となります。これは企業で確定拠出年金(企業型DC)で行っている人も、つみたてNISA口座で運用していても同様です。
この税制面でのメリットはiDeCoについての説明に必ず記載されています。しかしこれはそもそもどういうことなのか、理解できていますか?筆者ははじめよく分かりませんでした。むしろ運用中に課税されることがどういうことなのか、この点について説明します。
運用中に税金が掛かるとき
普段、銀行に預金口座でお金を預けていますよね。通帳記入すると「リソク…3」と書かれており、利息が3円ついていることに気づきます。うっかり時間外取引でコンビニからお金を下ろすと手数料が300円取られるのを思い出すと、利息3円の少なさがより際立ちます。
実は、この3円にも税金が掛かるのです。
3円だと税金計算が分かりにくいので、仮にここでは利息が500円ついたとします。この500円に20.315%の税率で税金が掛けられます。
ちなみに20.315%というのは、所得税・住民税で20%、復興特別所得税で0.315%課税されるため、合わせて20.315%となっています。
つまり500円×20.315%=101.575≒101円が税金として掛かることとなります。せっかく利息が付いても500円-101円=399円しか手元に残りません。
このように金融商品には、利息や運用益に対して税金が掛かります。預貯金でも例外ではありません。しかし、この「例外」としているのが、iDeCo(企業型DC)やつみたてNISAなのです。
運用益が非課税になった時の効果
iDeCo(企業型DC)やつみたてNISAは、複利で運用されます。
たとえば、手元に100万円があり、1年で利息が10%ついたとします。するとその年は110万円となります。翌年、複利運用の場合、元本の100万円ではなく、利息の付いた110万円に対して運用されます。これが複利運用です。
雪だるまを作るときをイメージしてみてください。最初は小さな雪玉も周りの雪をかき集めてゴロンと回すたびに大きくなる、といったところです。
もしここで、運用益が課税されていると、利息でついた10万円に20.315%が掛かりますから、20,315円が税金で引かれます。よって運用益が非課税だと、翌年110万円が元本で運用できたものが課税された場合1,079,685円が元本となっていきます。
1年単位でみれば、わずかかもしれませんが、これが20年続くことを考えると、できる雪だるまの大きさが大きく違ってくることが想像できますよね?
以上、iDeCoの3つの節税
- 積立時
- 運用時
- 受取時
の「運用時」についてお伝えしました。
次回は「受取時」について解説します。