サラリーマンが副業をするのも一般化しつつありますが、ある程度副業で稼ぐようになると、「税金をもう少し安くできないか」ということを考えるようになります。
会社の給与明細を見て、かなり税金が取られていると感じたことがある方も多いと思いますが、実は副業も一切対策をしないと、かなり税金を徴収されるんですね。
そうなると、せっかく黒字が出たのに翌年はマイナス、なんてことにもなりかねません。
そこで今回の記事では、副業サラリーマンにおすすめの『会社設立』をして節税する方法をご紹介します!
会社と言ってもガッツリ事業を行うわけではなく、あくまでも副業で稼いだお金にかかる税金を節約するのが目的です。
具体的には、『プライベートカンパニー』という会社を作って節税していくのですが、まずはプライベートカンパニーの概要から解説していきますね。
目次
プライベートカンパニーとは
プライベートカンパニーとは、個人が設立した会社のことで、利益を上げることよりも個人が持っている資産の管理を目的にしています。
一般の会社と法的に区別されているわけではなく、個人の資産管理や節税を目的にしている場合はプライベートカンパニーと呼ばれる、と考えてください。
また会社には、株式会社、合同会社、合資会社、合名会社の4種類がありますが、プライベートカンパニーは合同会社として設立されることが多いです。
なぜなら、合同会社は設立コストを安く抑えることができるほか、社会的な信用性を確保しやすかったり、小規模での運営に向いている会社形態なので選ばれやすいんですね。
なぜプライベートカンパニーで節税できるのか
それでは次に、副業をやっているサラリーマンがプライベートカンパニーを設立すると、なぜ節税できるのかについて解説していきます。
キーワードは『所得税』と『法人税』。
サラリーマンが会社から受け取る給料や副業で稼いだお金に対しては所得税がかかります。
この所得税は累進課税制をとっていて、収入が多ければ多いほど納める税金も増えるという仕組みなんですね。
所得税は最大45%なので、収入によっては稼いだ金額の約半分を税金として納めないといけません。
その一方で、会社に対してかかる法人税は最大23.2%で、これに別途発生する法人住民税を加えても最大33.8%なので、所得税と比べると割安なんです!
そのため、副業で稼いだお金を法人の収入として計上すれば、同じ金額を稼いでも納める税金を減らせます。
ちなみに、所得税は増加傾向にあるのに対して、法人税は減税傾向にあるので、プライベートカンパニー設立は長い目で見ても節税効果が高いと言えるでしょう。
それでは次に、プライベートカンパニーを利用してどうやって節税していくのか具体例を挙げて解説していきます。
プライベートカンパニーを利用した節税例
例えば、あなたが全部で8部屋あるアパートを購入し、そこに入居者が入って、毎月家賃収入が得られる状況をイメージしてみてください。
仮に家賃収入が毎月50万円あるとして、何もしなければその50万円に対して所得税がかかります。
そのままでも別に問題はありませんが、先ほどお伝えしたように所得税は法人税よりも税率が高いので、実際あなたの手元に残るお金はかなり減ってしまいます。家賃収入を『個人の収入』として扱えば、法人税ではなく所得税がかかってしまうんですね。
しかし、プライベートカンパニーを設立して、家賃収入で得た利益を会社の収入として計上すると、家賃収入にかかるのは所得税よりも割安な法人税になります。
また、配偶者や親族、子供などを、設立したプライベートカンパニーの社員にしてしまえば、毎月給料を支払うことができます。
すると、給料として支払った分だけプライベートカンパニーで得た家賃収入の金額は下がり、法人税もその分少なくなるというわけです!
もちろん給料を受け取る人にはそれぞれ所得税が発生しますが、プライベートカンパニーを設立せずに個人で毎月50万円を受け取るよりは、税金がはるかに安くなります。
経費を計上して節税する
さらに、従業員への給料の支払いは人件費に該当しますが、会社は他にも様々な経費を計上できるので、副業の利益が毎月100万円を超えるような場合は、上手に会社の経費として計上すると節税効果が高くなります。
例えば、少しでも会社の業務で使うのであれば、車を社用車として購入し、経費として計上することもできるんです。
あるいは、仕事に関する話をするために誰かと食事をすれば、接待交際費を経費で落とすこともできます。
このように、プライベートカンパニー設立は副業サラリーマンにとっては節税効果が抜群なので、それなりに副業で収入を上げられるようになったら、設立をおすすめします!
プライベートカンパニーの作り方
それでは次に、プライベートカンパニーの設立方法について解説していきますね。
大きく分けて4つのステップがあるので、順番に見ていきましょう。
ステップ1:定款を作成する
定款(ていかん)とは、会社の基本規則を定めたものです。
定款には、絶対的記載事項、相対的記載事項、任意的記載事項の3種類を記載するのが一般的ですが、節税が目的のプライベートカンパニーを設立するのであれば、絶対的記載事項のみを記載するだけでも大丈夫です。
ステップ2:資本金を払い込む
定款を作成したら、資本金を振り込みましょう。
プライベートカンパニーの口座は設立後でないと開設できないので、最初は自分名義の口座に自分で振り込むことになります。
一旦、資本金の払い込み証明書を作成し、通帳のコピーと一緒に保管しておきましょう。
そして、自分の口座に振り込んだお金は、設立後にプライベートカンパニーの口座に移して、通帳にも記帳しておきましょう。
ステップ3:登録書類を作成する
次に、プライベートカンパニーを登記するのに必要な書類を作成します。
発起人決議書、発起人会議議事録、取締役選定書、取締役就任承諾書、監査役就任承諾書、印鑑届けの計6種類の書類が必要ですが、会社形態によっては不要なものもあります。
自分ですべて用意するのが難しそうであれば、司法書士事務所、行政書士事務所、法律事務所などに相談してみたほうがスムーズに進められるかもしれないので、検討してみてください。
ステップ4:登記申請をする
必要書類を用意できたら、登記申請をします。
申請先は法務局で、申請は資本金を払い込んだ日から2週間以内に行う必要があります。
登記には印紙(有料)が必要なので、必ず法務局に提出する書類に不備がないか確認してから、印紙を貼るようにしましょう。
ペーパーカンパニーは脱税なので注意
最後に、プライベートカンパニーと似ている『ペーパーカンパニー』について少し解説します。
ペーパーカンパニーとは、事業をまったく行わず実態のない会社のことです。
プライベートカンパニーとの違いは、「事業をしているか、していないか」ということになりますね。
ペーパーカンパニーは脱税なので注意してください。
副業サラリーマンにおすすめの節税方法:まとめ
今回は、副業サラリーマンの節税方法としておすすめの「プライベートカンパニー」について解説してきました。
特に副業の収入が多い方は、プライベートカンパニーを設立して活用すると、税金を合法的に節約できるので、ぜひ活用してみてください。
また、最後に解説しましたが、あなたが行う事業が個人事業なのか法人での事業なのかを明確にしないと脱税を疑われてしまう可能性もあるので、そこだけは注意してくださいね!
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