日本の大きな問題は、少子高齢化。そのため、しばらくの間、大きな経済成長は望みにくいでしょう。つまり日本への投資は、種をまけばすぐに実るような豊かな土壌ではないということです。
それに対して、インド・インドネシア・マレーシアといった海外の国は、人口ボーナス期の高度成長が期待できるステージ。簡単に言えば、若者が住んでいて、「俺たち、豊かになるぜ!」と燃えているということ。
かつての日本や中国のように、若さゆえのハングリーさで、キラキラしている国はたくさん。それらの国への投資が上手くいけば、「黄金の卵を生む若き雌鳥」を手に入れるようなものです。
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日本の人口は、間違いなく減っていく
今後、日本の人口が減ることはご存知ですよね。そのための有効な対策は、移民を増やすこと。
ちなみにフランスの出生率が高いのは、子育て支援以上に移民の出生率が高いことが理由。【フランス2017年の出生率:移民2.6人、非移民1.77人】と数字が明らかに違いますよね。人口を増やすには、移民&移民の出生率に期待するのが何より早い。
しかし、日本文化を破壊するレベルの移民増加は、欧州や米国で起きている文化の衝突を見ればとてつもなくむずかしい。
人が減ることを嘆くなと小泉進次郎氏の正論
何かと話題をふりまく環境大臣の小泉進次郎氏は、「人口減少を嘆くのは止めて。いつか下げ止まり、そこから成長できる。人口減少を強みに」と発言。将来の首相候補の言い分からも、日本経済は耐える時期と思うしかありません。
人口ボーナスと人口オーナス
日本は「人口ボーナス」どころか「人口オーナス」によって、経済成長は鈍くなる可能性が高い。この「オーナス」という言葉。「重荷・負担」という意味。無慈悲な経済学は、高齢化社会について、経済成長の負担になると指摘しているのです。
そりゃそうですよね。若い人が多ければ、家や車・家具を買った、子供が生まれた、パーティだ、婚活だと、消費に直結する話題が盛りだくさん。でも、高齢者の多い社会は、健康・病院の話が中心。経済成長にとってどちらが良いかはシンプルな話です。
- 人口ボーナス:総人口に占める生産年齢人口(15歳以上65歳未満)が、非常に多い。労働力・消費が活発となり、経済成長しやすい。高齢者が少なく、社会保障にかかる費用も少ない。
- 人口オーナス:生産年齢人口が少なく、社会保障費が大きくなる。経済成長しにくい状態。
◆人口ボーナスの終了年:ジェトロ2015年
※薄緑色:従属人口比率低下かつ生産年齢人口/従属人口が2以上の期間。
※淡黄色:生産年齢人口/従属人口が2以上の期間。
これを見ると、人口ボーナス期を迎えるインドやフィリピン・マレーシアなどが有望な国!
人口ボーナスとオーナスでは、社会全体のパワーが違う
日本の人口ボーナス期は、1950年代半ばから1990年代半ば。実際、経済成長や株価上昇の勢いは凄まじく、世界に「ジャパン」の名前が轟いていました。アメリカをはじめ欧米の土地や企業を日本が買い漁り、恐ろしい国「日本」だったのです。
しかし、今を象徴する言葉としてあなたにお伝えしたいのは、ソフトウェア会社「サイボウズ」の「がんばるな、ニッポン」。
それに対して、1988年の有名なCM。栄養ドリンク「リゲイン」は、「24時間戦えますか」とお茶の間に語りかけていたのです。
どうですか、この空気感の差。約30年前の日本に満ちていたエネルギー。あなたが外国人投資家だったとして、考えてみて下さい。どちらの国に、自分の大事なお金を投資したいと思いますか。
もちろん、「がんばるな、ニッポン」自体は素晴らしい言葉。経済成長だけが人生のすべてではありません。世界全体が少子高齢化していく中、先陣を切るのは日本です。
人口ボーナス時代は、株高・通貨高
日経平均は、1960年の人口ボーナス時から、ピークの1989年末まで、驚きの44.5倍に上昇!
●1960年:874円⇒1989年末:38,915円(野村證券データ)
日経平均でこれですからね。個別株を見れば、10倍どころか100倍以上に上昇した株もゴロゴロ転がっていました。トヨタ自動車・パナソニック・ソニーなど、今のアマゾン・アップルなどGAFA(ガーファ)と同じような会社がたくさん。
そう、次のガーファが、インドやインドネシアから生まれる可能性を考えるとワクワクしてきます。世界一企業の株を「安値で持つ=将来性を見抜いた」というのは、とても素敵なことです。
人口ボーナス・国民性を調べて、成長力の高い国を見つけるのは、大きな成果を得られる可能性のある夢ある投資方法だと思いませんか。