【投資信託】インデックスファンドとは?くわしく解説

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投資信託にはインデックスファンドとアクティブファンドがあり、投資スタイルが大きく異なります。

適切な運用を実施するためには、この「インデックスファンド」と「アクティブファンド」の運用方法の違いを知ることが大切です。

記事では、インデックスファンドについてはもちろん、アクティブファンドとの違いについても解説していますので、ぜひ参考にしてくださいね。

インデックスファンドとは

インデックスファンドとは、インデックスと同じ値動きをするよう設計された投資商(投資信託・ETF)のことで、これらの投資商品には「インデックス投信」および「ETF」があり、総称して「インデックス・ファンド」と呼ばれています。

ETFとインデックス投信は同じ「インデックスファンド」ですが、実際に投資する際にはいろいろと違いが出てきます。

インデックスファンドを理解する上で、先ずは「インデックス」についての理解が必要です。

インデックスとは

インデックスとは、日経平均やTOPIX、S&P500、ダウ平均のような株価指数のことです。

現在、世界には1万種類以上のインデックスがあり、日経平均のような日本株式の市場動向を示すインデックス以外にも、債券、不動産、商品などの市場動向を示すインデックスがあります。

インデックス一覧

インデックスの例は、下記の通りになります。

  • 日本株式
  • 日経平均株価:日本企業を代表する大型225社
    TOPIX:東証1部上場の全銘柄(約2,100社)

  • 外国株式
  • S&P500:米国企業を代表する大型500社
    ダウ平均:米国企業を代表する大型25社
    NASDAQ:米新興市場NASDAQ上場の全銘柄
    MSCI コクサイ・インデックス:日本以外の先進国(22か国)の主要銘柄
    MSCI エマージング・マーケット・インデックス:中国やインドなど新興国(25か国)の主要銘柄

  • 日本債券
  • NOMURA-BPI 総合指数:国債や社債など日本債券の主要銘柄

  • 外国債券
  • シティグループ 世界国債インデックス:先進国(23か国)の国債

  • 日本不動産
  • 東証REIT指数:東証に上場する全てのJ-REIT銘柄

  • 外国不動産
  • S&P 先進国REIT指数:先進国(26か国)の主要REIT銘柄

  • コモディティ(商品)
  • S&P GSCI 商品指数:原油、金、小麦など24種類の商品先物

上記のように、資産ごとのインデックス以外にも多様な切り口、コンセプトのインデックスが存在しています。

例えば資産別、地域別、国別、通貨別などです。

インデックスファンドで資産運用を始める場合にはそれらの特徴や特性を理解する必要があります。

他の金融商品と同様にそれぞれにリスクとリターンの特性がありますので、それを理解した上で、どのような商品が自分に向いているのかを判断していく事になります。

また、もう一点重要なポイントとして「インデックスファンド」と「アクティブファンド」の運用方法の違いを知ることも大切です。

まずは、インデックスファンドの概要について解説します。

アクティブファンドとの違い

「インデックスファンド」と「アクティブファンド」の違いは、それぞれ運用目標が異なります。

  • インデックスファンドは指数と連動するように運用する
  • アクティブファンドは指数を上回る成果を目指して運用する

という違いがあります。

インデックスファンドは、特定の指数と投資信託の値動きが一緒になるよう運用されています。

指数とは、一般的に株式市場、債券市場など特定の市場で取引されている商品全体の平均的な値動きを指しており、株価指数という場合は、証券取引所で売買されている各企業の株式(銘柄)の価格(株価)を平均化したものになります。

例えば、日経平均株価と一緒の値動きになることを目的としたインデックスファンドの場合、日経平均株価が1%値上がりした日は、投資信託も同じように1%値上がりし、日経平均株価が1%値下がりすれば、1%値下がりします。

一方、アクティブファンドは、日経平均株価のような指数を上回る運用成果を出すことが目的なので、日経平均株価が1か月で10%値上がりするとしたら、それ以上の値上がりを目指す運用を行います。

さらに、インデックスファンドの特性として、上述したように株式指数と同じような値動きをしますので、リスクやリターンを検討する場合、特定の指数の傾向を押さえればよいのがメリットとなります。

事例としてあげると、ローリスク・ローリターンを望む場合、国内債券や先進国の海外債券を選べばよいですし、ハイリスク・ハイリターンを狙う場合は海外リートや先進国の海外株式を選ぶと良いでしょう。

同じ株式でも国内株式と先進国・新興国の海外株式ではリスクやリターンが異なるという点に着目した選択方法です。

商品を選ぶ際のアクティブファンドと比較検討する場合の視点として、理解しておく必要があるのは、アクティブファンドは指数とは関係なく投資を行い、指数以上の成果を出すのを目標としているという点です。

ファンドマネージャーが相場状況に合わせて取り扱い銘柄を変更します。

したがって、相場が大きく動く場合はファンドマネージャーの裁量で損失を減らしたり利益を増やしたりできる点がメリットとしてあげられます。

しかしアクティブファンドの場合は手数料が高い場合が多く、手数料と利回りのバランスを考える必要があります。

インデックスファンドの4つのメリット

次に、インデックスファンドのメリットについて見ていきましょう。

メリット1:初心者でも始めやすい

インデックス投資は理解しやすい投資手法なので初心者にとっても始めやすいというメリットがあります。

インデックス投資では日経平均株価など特定の指数に連動するように運用されるので値動きなども比較的わかりやすく、投資がしやすいといえます。

また、日経平均株価やTOPIX、NYダウなどといった認知度が高い指数については、ニュース等が毎日出ていますので、ベンチマーク(目標となる指数)が変動する要因についても知る手段が多いですし、初心者にとっても理解しやすいものと言えます。

メリット2:運用コストが低い

金融商品を購入した場合、運用を委託する「信託報酬」を支払うのですが、インデックス投資は信託報酬が低く抑えられているというメリットがあります。

一般的にインデックスファンドは、ベンチマーク(目標となる指数)に連動するように機械的かつ平均的に運用されるため、コストを抑えることができるのです。

長期的な運用を考える場合、信託報酬の差が、将来的には大きな差となりますのでコストが低いということは、それだけ収益も大きくなりやすいと言えるでしょう。

メリット3:手間が掛からない

インデックス投資は手間が殆ど掛かりません。インデックス投資は、ベンチマークに連動するよう設計されている金融商品を購入するだけで投資を行うことができるのです。

個人で株式取引やFXなどと比べた場合、銘柄に対する調査や、購入・売却のタイミングを計ったりする必要もないのです。

メリット4:分散投資である

インデックスファンドを購入すること自体が、分散投資になっているというのもインデックス投資のメリットです。

リスク回避の基本的考え方として分散投資というのは、必須の事項なのですが、自分で分散投資となるように考えながら投資を行うのは、初心者にとってかなり難しいことです。

しかし、インデックス投資の金融商品は、さまざまな投資対象を組み合わせて構成されているので、自分が投資したいインデックスファンドを選択して購入するだけで、分散投資をしていることになるのです。

インデックスファンドの2つのデメリット

次に、インデックスファンドのデメリットについて見ていきましょう。

デメリット1:短期で大きなリターンは狙いにくい

インデックス投資の場合、ベンチマークとなる指数のほとんどは、極端に変動することがあまりなく、緩やかな値動きとなります。したがって短期間で大きなリターンを狙うことは難しいと言えます。

デメリット2:運用コストがかかる

インデックス投資の信託報酬は、アクティブファンドの信託報酬よりも低いのですがゼロではありません。

例えば、信託報酬が0.5%かかるインデックス連動の商品を100万円分購入した場合、毎年5,000円のコストが必要です。

この運用を10年間続ければ、5万円分のコストがかかる計算となります。長期投資を行う場合は、この運用コストを視野に入れることを忘れないようにしましょう。

まとめ

インデックスファンドはベンチマークとする指数に連動して運用するのが特徴です。

運用コストが低いので長期運用に向いており、積立式でコツコツ資産を蓄えることを想定した場合は向いている金融商品と言えます。

ここ数年の実績としてはアメリカの株式のインデックスファンドの利回りが良いので、投資初心者の方はインデックスファンドを見てみても損はないでしょう。

この機会に、資産運用方法のひとつとして、インデックスファンドも検討してみてはいかがでしょうか。