「株式はやりだしたら面白い!痛い目にも合ってきたが、勝った時(利益が大きく出たとき)はこれほどワクワクするものは無い。」
とある投資家の発言ですが、この一言に株式の魅力と危険が含まれているように思います。
最近ではインターネットを使ったオンライントレードも随分と増え、誰でも手軽に株式投資を始められる時代になってきました。
それだけにこの魅力を感じられるチャンスが皆さんにも平等にあると言えます。
株式のチャンスをものにするためには、株に関する基礎的な知識は最低限必要です。
資産運用において株式投資を選ぶのなら、それは自己資金で真剣勝負をするという事になり、勝ち負けが直接手ごたえとして返ってきますので、勝つ為の知識と経験値の積み上げをコツコツと時間をかけてでも行う価値は十分にあるとおもいます。
株式投資には多くのメリット・デメリットがあり、テクニックや手法も多岐にわたり、勝つための理論も人それぞれなので細かく説明していくときりがないほど奥が深いのですが、ここでは株をやる上でのポイント・知っておくべき基礎知識を解説します。
- 株とは何か
- 株のメリット(収益に関する部分)
- 株をする上での基礎知識
- 株のデメリット
について順番に説明していきます。
目次
そもそも株とは何か?仕組みとメリットについて
基本的な知識として「株とはどういったものか?」「株で儲かるとはどういう仕組みか?」といったことを、正しく理解してから始める必要があります。
株とは「企業がビジネス資金を集めるために発行する証書」になります。
企業がビジネスを拡大、成長させるためには、新商品の開発、新たなオフィスや工場などの施設設備の構築、広告宣伝、優秀な人材の確保などそれぞれの業務を行うための元手となる資金が必要です。
この資金を投資家の方から募り、ビジネスが大きく成長し、利益が出たあかつきには利益を投資家の皆様に還元します。
というのが株の基本的な役割です。
企業がビジネス資金を確保するためには、銀行からお金を借りるという方法もありますが、銀行からの借り入れにはビジネスの状況がどうであれ、期限内でも返済義務が発生します。
これに対して株で集めたお金は返済の義務がないので、企業側からすると長期的な視点で安定した経営ができるという大きなメリットがあります。
その対象企業の株を買い、出資した投資家のメリットとして「対象企業の経営権や利権を受け取ることができる権利を得る」という点があげられます。
株を買うことは企業への出資と引き換えに、その企業のオーナーになるということです。
オーナーになることにより、その企業の成長に応じた利益が得られるようになるのです。
銀行などにお金を預金した際に得られる利子より、格段に大きい利益も見込めます。
これらが株を買う側のメリットになります。
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つぎは株を買うことで得られる利益について説明します。
1.値上がり益(売買益)
株を買うことは、企業への出資と引き換えにその企業のオーナーになるということです。
オーナーには、高く買ってくれる人に企業を売る権利があります。
たとえば、株価が2000円の会社の株を100株買ったとします。
この場合、株式の購入金額は20万円になります。
その株を株価が3000円に値上がりしたときに全部売ると、売却金額は30万円。
つまり、差額分の10万円を値上がり益(売買益)として得ることができます。
この売買による収益の事を「キャピタルゲイン」といいます。
皆さんはなぜ株価が上がったり下がったりするのか?
という点が気になると思いますので説明します。
株価が上がったり下がったりするのは、「その株を欲しい」という第三者が存在し、企業の株を保有している人から、オークションのような形で譲渡されているからです。
たとえば魅力的な新規サービス、新商品などが発表され、その会社の株が「欲しい」と思う人が増えると株価は上がります。
逆に、ビジネスで失敗して赤字になった、不祥事が起きたなどの悪いニュースが出ると、その株を手放したい人が増えて株価は下がることになります。
キャピタルゲイン(値上がり益)
株式や債券など、保有している資産を売却することによって得られる売買差益のこと。
株価が安いときに購入し、値上がりして高いときに売却すれば、その差額は利益になります。
売るときに購入したときの倍以上にもなる株式もあるので、キャピタルゲインは株式投資の大きな魅力の1つです。
2.配当金
株を買うことで企業のオーナーになります。
したがってその会社のビジネス活動から生み出すことのできた利益を分けてもらう権利も発生します。
これが「配当金」というものです。
企業によってまちまちですが、配当金は1年に1~2回支払われ、金額もそれぞれ異なります。
その年の業績や方針によっても金額は変化します。
配当金のように継続的に受け取ることのできる現金収入を「インカムゲイン」といいます。
配当金(インカムゲイン)
株式や債券などの資産を保有中に得られる収益のことです。
例えば、株式では配当金、債券では利子、不動産では賃貸することにより得られる家賃収入がインカムゲインに当たり、それら資産を保有し続けることで、継続的な収入を期待することができます。
株式で見落とされがちなのがこのメリットです。
配当金は銀行の預金金利の何倍にもなるので、頻繁に株式の売買をしない人は配当金を目当てに株を保有するということも良いでしょう。
3.株主優待
株主優待では、自社製品や金券類、割引チケットなどがもらえます。
企業が株主に行うサービスに、自社製品を無料での提供や優待価格で販売、金券類の配布など、株主優待と呼ばれる制度があります。
企業によっては商品券や家電製品などをくれるところもあります。
値上がり益や配当金のように現金をもらえるわけではないので、直接的な収益にはなりませんが、かなりオトク感を感じられ、嬉しい気持ちになれる株主優待もあります。
投資家の中には株主優待に惹かれて株式を買付する人もいます。
近年、テレビでも株主優待を駆使して生活している人が話題となっているみたいですね。
すべての銘柄に株主優待があるとは限らないので、興味のある人は事前に優待銘柄を調べてみて下さい。
株を買って企業のオーナーになると、上述した「値上がり益」「配当金」「株主優待」の3つの利益をもらう権利を手に入れられます。
企業の権利があるので当然、その企業の責任を負うことにもなります。
もし企業の業績が悪化したら株価は下がります。
買った値段よりも下がったなら、損をすることになります。悪の場合、企業が倒産したら株は価値を失い、出資したお金も戻ってきません。
しかし、オーナー(株主)だからといって借金の取り立てにあったりすることはありません。
株主の責任は有限であり、出資額より大きなマイナスが発生することはありません。
次は株式投資のデメリットについて見ていきましょう。
株式投資のデメリット
株式投資のデメリットは下記の通りになります。
比較的に初期投資が高い
株式投資は、初期投資額が比較的高くなるのがデメリットです。
投資信託はネット証券なら最低100円から購入できますし、純金積立なら月々最低1,000円から始められます。
しかし、株式投資は最低でも数万円程度の投資額が必要で、多くの銘柄は10万円以上の投資額を用意しなくてはなりません。
最低投資金額は銘柄にもよりますが、投資信託や純金積立と比較すると、株式投資の初期投資額は高くなります
自分の思い通りの売買が成立しないことがある
株式は証券取引所で売買されており、株価は常に変動しています。
そのため、自分の思い通りに売買を成立できないことがあります。
たとえば、株価が1,000円の株式を少しでも安く買いたいと考え、900円で買い注文を出しても、900円まで値下がりして注文が成立するとは限りません。
値下がりするどころか、逆に1,250円まで値上がりして、1,200円のときに買っておけばよかったと後悔する可能性もあります。
株式の売買には世界中から数多くの投資家が参加しており、企業の業績や経済ニュースなど、株価の値動きはさまざまな出来事に影響を受けるので、株価を予想して売買を成立させるのは時には困難になります。
株価の値下がり(キャピタルロス)
キャピタルゲインの逆です。
買付した時より値下がりした状態で株式を売却すると売却損が確定します。
キャピタル・ゲインでもキャピタル・ロスでも買付して売却するまでは利益・損失ともに確定しません。
投資初心者には比較的ハードルが高い
株式投資は今までに資産運用、投資を何もやっていなかったような初心者には比較的ハードルが高い投資だと思われます。
東京証券取引所の市場第一部だけでも2,000社以上の企業が上場しているうえに、常に株価が変動しています。
どの企業の株式を購入するかという判断をするには、売上高や当期純利益などの業績や、自己資本比率などの財務体質、PER(株価収益率)やPBR(株価純資産倍率)といった投資指標を確認、理解する必要があります。
また、業界や政治の動向によっても株価は変動し、株式を購入・売却するタイミングを判断するためには経済関連のニュースや株価を常に確認することも大切になってきます。
株式投資には投資判断のために確認すべきことが多くあるため、取引に慣れていない投資初心者には比較的ハードルが高いと感じるかもしれません。
しかし、これに慣れてくると株価の変動を自分なりに予測できたり、国際政治の動向や、経済的な大きな事件がチャンスになったりもするので、株式投資の醍醐味を味わう事ができるとも言えます。
これから株式投資を検討している人がまず知っておきたいこと
最後に株式投資において基本的な用語の簡単な解説をします。
株式投資を検討する上で、専門的な用語がいくつか登場します。
初めの一歩として、この用語を理解すると、株式投資について書かれている文章も理解しやすくなるでしょう。
一見難しいようですが、理解するのはさほど難しくありません。
PERなどの指標は銘柄を調べると頻繁に出てきますので、イメージだけでも覚えておくと、さまざまな銘柄を比較検討するのに役立ちます。気になる用語がある場合は各自で詳しく調べてみてください。
利回り
利回りとは、購入した株価に対し、1年間でどれだけの配当を受けることができるかを示す数値です。
株式投資には売買によって得ることができる売却益(キャピタルゲイン)も含まれますので、完全な利回りを確定させることができるのは、取引が全て完了した時点で明確になります。
株式投資は配当利回り4%~5%が理想的|利回り重視のリスクも解説銘柄
株式の名称の事です。例えば車のメーカーのトヨタは会社の名前でもあり銘柄の名前でもあります。
本日の値上がり銘柄は本日株価が上がった会社の名前という意味合いを持ちます。
証券コード(銘柄コード)
銘柄コードという上場企業に割り当てられている4桁の番号です。
業種ごとに分かれていて、1000番台から9000番台までとなり、例えば1300番台が水産・農林業、9600~9900番台はサービス業となっています。
例として、トヨタ自動車は7203、日産自動車は7201になり、8000~8200番台の三菱商事は8058、三井物産は8031、伊藤忠商事は8001となっています。
検索する際などは銘柄コードのみでも対応する銘柄が検索できます。
約定
約定とは株式投資において、注文を発注して取引が成立することを言います。
注文の種類によっては取引が成立しない場合もありますので、株式投資で約定したということは、売り手と買い手が売買をそれぞれ成立できたという意味です。
成行
成行とは、いくらでも良い・需給の中でという意味を持ちます。
例えば注文方法で成行注文とは、いくらでも良いので需要と供給の釣り合った価格で売る・買うという意味です。
「成行注文」というと、値段を指定しない注文方法になります。
指値
売買を委託する時に値段を指定すること。その値段の事です。
「特定の値段で」という意味でつかわれます。
注文方法で、1000円の指値というと、1000円でなければこの株は買いたくない・売りたくないという意味合いになります。
配当
配当とは、企業が得た利益を株主に還元することを言います。
配当金とほとんど同じ意味です。
配当金は業績に左右されるので、配当金が出ない場合や出していない企業もあります。
始値
取引市場がオープンしてから、最初についた株価を始値といいます。
東京証券取引所では朝9時から市場がオープンするので、そのすぐ後に始値がつくことが多いです。
始値がつくことを「寄り付き」と言ったりします。
終値
始値の逆で、取引市場が閉まるときの最後についた株価のことを「終値」と言います。
東京証券取引所では午後3時に市場が閉まります。
PER
PERとは、株価収益率のことを指します。
株価収益率の計算式は株価÷1株あたりの利益で求めることができます。
これにより現在の株価が1株当たりの利益の何倍かがわかり、PERが低い銘柄は割安と判断されることが多くなります。
PBR
PBRとは、株価純資産倍率のことを指します。
株価÷1株あたりの株主資本=株価純資産倍率、と算出します。
この計算により現在の株価が1株当たりの株主資本の何倍かわかります。
ROE
ROEとは、株主資本利益率を指します。1株あたりの利益÷1株あたりの株主、で算出します。
企業の経営がどれだけ効率的にできているかを見る指標です。
株主資本が、企業の利益にどれだけ貢献したかが算出されます。
ROEが高い企業は株主資本をうまく活用できていると言えます。
IPO
IPOとは、新規公開株のことです。
現在のIPO市場は初値が公開価格(初めて値段がつく前に投資家に配られる価格)を上回ることが多いです。
ETF
ETFは上場投資信託と呼ばれる金融商品です。
株式・債券・REIT・通貨等さまざまな指数に連動する運用成果をめざし、金融商品取引所に上場しています。
上場している投資信託とも理解できます。
一般的なものは、日経平均株価や東証株価指数(TOPIX)等の動きに連動するETFです。
普通の株式と同様に金融商品取引所の取引時間内に、株売り買いができる点が特徴です。
まとめ
投資の醍醐味ともいえる株式投資。
仕組みやルールはさほど難しくありませんが、株式投資で安定的な利益を上げていくには知識と日々の情報収取、経験、そして一種の感が必要でしょう。
投資信託などのプロにまかせる運用に物足りない人はチャレンジすると良いと思います。
くれぐれも投機的にならず、緻密な考えの上で行ってくださいね。
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